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『k氏の災難 4回目』

新谷教授が言った。
「お怪我はありませんか?」

k氏は答えて言った。
「ああ、大丈夫だ。全くあいつらは何者なのだ?」
「私にも分かりませんが、困ったものです」
「記者会見がめちゃくちゃになってしまった」
「とりあえず、控え室で休みましょう」

2人は控え室に行った。
「さあ、これで」
新谷教授は、k氏におしぼりを勧めた。
「ありがとう。」
k氏は手を拭うと、ため息をついた。
「こ、殺されるかと、思ったよ」
「大事がなくて良かったです」

ふと、控え室の隅を見ると、4.5歳くらいの男の子がいた。
会場で配られるはずの、ルービックキューブをいじっていた。

「き、君は?」
k氏は男の子に訊いた。
「誰の子だろう?もしかして?」
新谷教授は、携帯でどこかに電話した。

男の子は、
「僕は、ルービックキューブが得意なんだ!おじさん、出来る?」
クルクルと、回して見せた。

k氏は驚いて、
「君はそんなに早く、ルービックキューブを完成できるのかね?」

男の子は、
「出来るよ!ほら」
何事もなく、全部の面を揃えてしまった。

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