長編詩　男女6人恋物語9回目

僕は寺嶋に訊いた。
「貴方は翠の事をどう思ってますか？」

寺嶋は答えた。
「私は、翠さんを好きです。好きになってしまった」
「えっ？貴方には京子さんがいるのでしょう？」“どうなんだ？”
「京子さんは幼馴染で、恋愛感情はないんだよ」
「ふーん。そうなんだ。でも、僕も翠は愛してる。誰にも渡しはしない」
「・・・」

次に謎の男にも訊いてみた。
「貴方は、翠をどう思っている？」
「私はただのペンションの客ですよ。貴方の方こそどうかしてる」
「うん。うん、うん、僕こそどうにかしているのかもしれない」

次に長谷川京子に訊いてみた。
「貴女と寺嶋さんの関係は？」
「やだ、恋人同士に決まってるじゃない」
「でも、寺嶋さんは、ふたりは幼馴染だと言ってましたよ」
「まさか、私と彼は、同じ会社で知り会ったんですよ。付き合ってます。と云うか、一緒に住んでますし」
「えっ、おかしいですね。ふたりの話が食い違っている」