『k氏の災難 2回目』
新谷教授は言った。
「これで、世間はアッと驚くでしょうな」
K氏は顎の髭をなぜた。
「そうだとも。やっと私の研究成果を認めてめらえるというものだ」
そこに助手がやって来た。
「新谷教授!困った事になりました!」
「どうしたんだね?君」
「それが、情報が漏れたようで」
新谷はK氏を見やると、ため息をついた。
「そんな、馬鹿な」
K氏はステッキを握り直した。
「記者会見の段取りはついているのだろう?新谷教授!」
「もちろんですとも。マスコミ各社には連絡済みです」
助手と新谷教授が出て行くと、K氏ひとりになった。
「こんな事で、私の永年の研究が無駄にさせられてたまるか!」
翌日、K氏の記者会見が華やかに行われた。
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