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長編詩 男女6人恋物語10回目

僕は葵に聞いた。
「葵、という事なんだが、君はどう思う?」
「私に聞くの?私の気持ちを知ってるくせに」
「すまない。君の気持ちはわかってるさ。痛いほどに」

葵はうつむくと、涙を目に浮かべているようだ。
「いいんですよ。どうせ翠には敵わないから」
僕は葵の背後から抱きしめた。
「葵。。」

初夏の爽やかな風が吹き抜けた。
ペンションの木々が揺れた。
僕の心も揺れた。木々のように。

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