四、宗三・陸奥守・秋田・膝丸(京都府・京都国立博物館・刀剣を楽しむ~名物刀を中心に~)
画像は全然関係ない大水槽(京都水族館 http://www.kyoto-aquarium.com/ )
ここはなんといってもデッッッカいオオサンショウウオが拝めるのが最高……なのだがデートスポットでもあるので一人で行くと虚無になる。
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歴史あるところに歴史は集う。
再びの京都。
おそらく刀剣乱舞サービス開始前から各美術・博物館や文庫、ギャラリーは動いていたのだと思うが、この頃あたりからようやくエンジンが回り始めた印象が強い。コラボや展示がじわじわと増え始め、賑わい始めたところに満を持しての登場だった。いや実際どうだかは知らない。私の中ではそうだった。以上。
二○一五年十二月からの展示開始だったが、人ごみを恐れた私は年が明けてから訪ねた。スタート当初はクリアファイルなどの頒布があったため、審神者で混雑しまくるであろうその場に突撃するフレッシュな精神力が無かった。あとそういうコラボをドンとやられると恥ずかしくなってしまう古のオタク(自己つまりオタクとは社会から排斥される存在であり常にその身を隠さねばならないという使命感と架空の同調圧力に二十四時間さいなまれている、精神構造がめんどくさい人種)なので、避けた。
保身によりチャンスを逃した馬鹿とは私のこと。
展示期間の三分の二は髭切と骨喰も展示されていたのだ……。
こんなことってあります? あるんですなあ(一期一振)。
マジでショック受けた。これもまた勉強。
当日の展示は刀だけではなく、どちらかといえばメインはもうひとつの仏像展示だった。今調べてみてもなぜか上手く見つけられない(私は壊滅的に検索がへたくそ)のでどうしようもないのだが、とにかくメチャクチャ仏像があった。入ってまずでっけえ仏像があり、ウォ……でっっっっか……どんだけでかいねん……めっちゃ輝いとるやんけ……と頭の悪すぎる感想しか出てこない脳みそで一つ一つ仏像を見ていった。
名前を覚えている仏像が阿修羅像しかない私だが、巨大な仏像を前にすると、仏はなんでもお見通しなのよフフ、と囁かれるような気分になる。また、かつて同じ場所に立ち、あるいは座ってこれらを拝み信仰して生きてきた人たちの作り上げた国土に生きているのだと思うと、足元の床がなくなってフワフワと不確かな空間に浮かんでいるような感覚に陥る。自分が本当に現実に生きているのか、誰も判断はできない。奇妙だ。
とにかくたくさんの仏像をつぶさに観察しまくりお腹一杯だったのだが、刀の展示室に向かう。一階の順路の突き当たりにある大きな展示室が丸々一室使われており、入った瞬間に圧倒された。
刀しかない。刀ばっかり。刀がめちゃくちゃ置かれている。ウッヒョ~。とりあえず音声ガイドを耳にねじこみ(ちゃっかり借りていた)順番に見て回った。
刀剣乱舞に実装されている刀で展示があったのは秋田藤四郎、宗三左文字、陸奥守吉行(後述)、髭切、膝丸、骨喰藤四郎だ。髭切と骨喰は見れなかったので合計四口見たことになる。
乱ショックで事前に耐性がついていたので秋田藤四郎の小ささに呆然とすることはなかったが、やはり思っていた以上に小さかった。こんなに小さな刀で一体どうやって戦うの、と思う。実際、短刀を使用する際は格闘戦? に? なる? らしいので、ほぼ相手をグーで殴る距離と変わらない。そんなことするの現代じゃボクサーと力士とレスラーと料理人だけじゃん。結構いるな。
陸奥守吉行に関してはすでにネットで記事がいくつもまとまっているだろうから正確な記録はそちらを読んでいただきたい……とおもったらそれだけをまとめている記事は特に見当たらなかった。ので、ちょっとここに書いておく。
この展示が行われた段階で、陸奥守吉行は未だ本物かどうか曖昧である? ことから?「刀 銘吉行 坂本龍馬所用」とされていたが、翌年京都国立博物館の調査により本物であると確定、二○一六年十月からの巡回展「没後一五○年 坂本龍馬」では「刀 銘吉行 坂本龍馬佩用」と表記が変更されている。
いや正直調べてもよくわからないので所用と佩用に業界内での明確な区別があるのかどうかはわからない。私もこのことはツイッターで見て知ったクチなのだが(私の知識は大体ツイッターを発端としている)、そんなこともあるのだなあ、と、発表当時は思ったものだ。同じようにビックリエピソードの生まれた刀がもうひとつ刀剣乱舞に実装されているのだがそれは燭台切光忠という太刀である。詳細は別記事に書く(たぶん)。
膝丸がかっこよかった。
というか、かなり記憶が曖昧で目録をいま確認し「?????」となっている。私は当時膝丸の隣にあった刀がかっこいいなあと思っていた。その刀は□忠と表記されていた。が、目録を見るとその□忠が膝丸のようなのだ。ど、どういうこと? 私はまた記憶を混ぜちまったのか? これが老化? やあやあ我こそは浪速の鶏頭……とにかく自分の頭が一切信用できないことは確実なので、膝丸はもう一度見たい刀のひとつである。
宗三左文字は想像していたイメージと全く違った。私の想像上の宗三左文字はゲームキャラの如くふんわりして穏やかかつ時にめらめらと燃え上がるような刀だったのだが、実際に見た宗三左文字は(想像上よりは)ずっと肉厚で、展示室のライトをにぶく跳ね返す、雄雄しい刀だった。事前にツイッターでそういった感想を散見していたのでそう感じた可能性は大・大・大だし絶対そうなのだが、とにかくガッシリとしたつくりだったと記憶している。というか刀を見ると大体キャラから抱いていたイメージとはかけ離れた感想を抱く。そのたび不安になる。私は正しいファンではないのではないかと。私は、だめなのではないかと。
展示は他にも刀が多くあり、どれも勉強になったと思う。中でも気になったのは後鳥羽上皇が打ったとされる菊御作だ。シュッとしてかっこよかった(名前に菊って入ってるし)のだが、後鳥羽上皇が打ったという情報を見るや否や、上司(後鳥羽上皇)の行動をウッワ~めんどくさいことになったわ…とハラハラ見守る部下(刀工)、という空想にしても結構失礼な図が思い浮かんでしまい、あまつさえその空想が自分で気に入ってしまったので払拭できなかった。後鳥羽上皇、ごめん。
しかしこの刀だけは、なんか気楽に見ることが出来た。
後鳥羽上皇のおかげである。
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