鱗と涙
じめついた部屋 作られた世界
焼けるような体 隅で丸まって
溶け合い深く 晴れたなら
鳥は苦手 私をわらうから
あの子も嫌い 私を泣かせる
一途で愚か 悲しみすらも 飲み込んでる
可笑しいくらいに夏がもうそこまできていて
何度も忘れながら 線路沿い歩いたっけ
ほらねえ 振り向く様に流れる髪が
夕凪に手を引かれている きっと美しい
きっと美しい 未知の旅
目に見えている 景色や匂い夏の夕方
「よく来たね」 抱きしめて
全部この手で 掴んでしまおう
辺り一面に咲いた 夢の破片を散りばめて
踊る光を浴びて 終わらないように繋いで
吸って吐いた息も嘘も抱きしめたまま
「きっといつか掬い取れるよ」
逆さまの世界で空っぽでいっぱいになった
後何を頑張れば? そんなことわからないよ
ほらねえ 溢れ出す夕方の光が
ここにいたんだよ ほら美しい ほら美しい
夜の先
良く覚えている わたしだけが知る全て
この世の全て 抱きしめて
全部この手で 壊してしまおう
明け方の海 昼間のベランダ
すべて忘れた煙や 無我夢中に走る最中
思い出すだろう 思い出すだろう