#062「ガール・オン・ザ・トレイン」
常々思っていることだけれど、女には無数に種類がある。
勿論、男にも種類はあるんだけれど、女の世界には、様々な女という別々の生き物が居る。
生まれ持った性格やキャラクター以上に、女の世界を生きていく間に追加されていく属性の様なものがあって、それは、無意識に演じ分けた結果なのか、選ばれたり選んだりして身についたものなのか分からないけれど、自分自身が気がつかないくらい自然に染みついたものだったりする。
そして、後天的に且つ望んだ訳でも無く備わったものなので、驚く程簡単に投げ捨てたり翻ったりもする。
映画に出てくる女は全然違う種類の女たちで、それが凄く象徴的。その色々が、それぞれ強烈な魅力でもある。
何の接点も理解も無かった別属性の女たちが、ある瞬間に女であるという点だけで全てを分かり合って、強かに通じ合って仕舞う。
憎み合って、恨み合っていても、ふとしたことで理解が出来てしまうし、共謀出来てしまうのが、女なのだ。「あーね。」と。
男性からしたら、そこが末恐ろしいのだろうと思う。
加えて、女は惚れている間は男の望むような形で居られるという部分もかなり厄介。
本編は、3人の女と超絶クズ男という感じ(なんて乱暴な)なのだけれど、ストーリーとは別のところで怖さを客観的に描いていて、面白かった。
そして、この事件を追っている刑事もまた女で、全てを分かっている感じがまた怖くて良い。