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*004 不要で不急な生活

元来職住近接な生活をしているので、自粛生活に突入しても、私自身の生活そのものは余り変化がない。朝起きて仕事して、何か温めて食べて仕事して、夕飯のこととか考えながら仕事して、夕方になる前に必要であればスーパーに買い出しに出て、ご飯作って食べて、終わっていなければ仕事をして、お風呂上がりに湯を飲んで、眠る。
休日は延々と散歩をする。それはもう延々と。

私には付き合って4年くらい経つ男性が居る。偶然出会って付き合うことにしたその日から毎日やってくる様になった。仕事で出張に行っている時以外、ずっと来る。こういうのを一緒に暮らしていると言うのかは疑問だけれど、客観的には同棲ということになるのだろう。
しかし、居るとか住むではなくて、毎日遊びに来るという認識。主観的には。
なので時々「全然帰らないよね。」と言ったりする。別に、帰れという意味では無くて。他者は外圧なので、私はちゃんと朝早く起きて、毎日自分で作ったものを食べて暮らせる様になって、とても有難いと思った。ずっとこういう風に暮らしたいと思っていたのだ。10年以上出来なかったけれど。
で、私と氏の関係がどうかという話は兎も角。
東京都から、不要不急の外出を自粛する様に。と言われて、私達は一時的に解散することにした。
一緒に暮らしているという意識ではなく、あくまでも遊びに来ていたので、2人での生活は不要で不急なものに分類される。という合意の下に。

なので、実質的な1人暮らしに戻った。時間は不思議だ。あっと言う間にその暮らしを忘れた。寂しさや違和感を感じる暇も無かった。ずっとこうして1人で暮らしてきた様な気がする。仕事が忙しいのもあるけれど。
私は生活の中でピアノを弾く時間を持てるようになったし、氏は貪るように活字を読み漁っている様だ。お互い、これはこれで快適なのだろう。

時々、これは急ではないが要だね。と、一緒に近所を散歩する。
散歩の距離は2m以上離れているので、東京都からも許容されるはずだ。