#014 Noism「CARMEN」
映画じゃないけれど、観てきたので。
Noismを観るのは10年振りくらい。
カルメンは、かなり演劇的で、私がNoismに期待していたもの(自分勝手に・・・)とは違っていて、上手く集中出来なかった。勿論ダンスは素晴らしくて、踊りで豊かに物語の感情を紡いでいて、涙が出そうになるシーンもあったのだけれど、その感情がその都度ぶつ切りになってしまう。
私が好きだった抽象度の高い空間的要素がとても少なくて、普通の演劇のセットみたいなものだったのが残念だった。舞台的な仕掛けやアイデアが、ばらばらとしていて、やりたいことは分かるけれど、もっとミニマムな形で一つの世界としてアウトプット出来る人は居なかったのかなぁとか、衣装、みんなあんなに着込まないと駄目?もっとNoism的な削ぎ落としたやつじゃ駄目だったの?とか。(ほんと勝手にすみません、観ていないくせに好きなんです)。
とは言え、息が止まる程好きなところも沢山あった。頭上から降り注ぐミモザの黄色。月明かりで踊るブルーの世界。
そして、人間を並べることの巧さ。やっぱり人体を理解しているからなのか、もの凄く美しいバランスで、感動を覚える。エンディングの絵画的な表現から映像的な表現で終わるところ。何度も思い出している。
そして、やっぱり踊りは素晴らしい。踊れるって凄い。そのエネルギーがそこにあることは衝撃的だ。舞踏家ってなんて豊かな生き方なんだろうかと溜息が出る。
色々勝手な事を言ってみたけれど、Noismは、No-ismらしいので、もっとNoism的な奴が観たかった。なんて、邪道なのだなぁ。もっとちゃんと観に行けば、今回の特別な講演はいつもと違う一面として観られたんだろうな。