![031スワロウテイル](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/2759501/rectangle_large_88f56b92ffd16ee3f4e153e18a88f7d9.jpg?width=1200)
#031「スワロウテイル」
30代くらいの人には、もれなく岩井俊二期ってあるのではと思う。
私にとってそれは、大学生の頃。
何だか分からないものに不安を感じて、何だか分からない未来に向かわなくてはいけないこと。自分が思っていたものと世界がちょっと違うんじゃないか。とか、自分が思い描いた大人にはどうやらなれそうにない。とか。
とにかくもう全力でぐるぐるしている頭に、全然美しくはない、雑多な世界で刹那的に生きている彼らに猛烈に憧れる。というショック療法的な。
観た後は、自分が悩んで苦しんでいることが、良い意味でどうでも良くなる。
今観ても、映画の世界とキャラクターの作り込みは凄まじいものがある。
そして、素晴らしいキャスティングと、素晴らしい音楽。あんなのどうやって作ったんだろうか。
私は、伊藤歩さんがとても好き。大人になって岩井映画を観ると、彼女が心配になる。今、マウントレーニアのCMとかを観ると、なんとも言えない親戚の様な気持ちになる。立派なお嬢さんにお育ちになって。。。みたいな。
とりあえず、岩井俊二は純粋なのだろう。こういう世界を諦めないって、凄いなぁ。と、今は思う。過去の岩井映画を観る時は、私は自分の懐かしい思い出の作品として観るので、へーき。
ただ、これを今の自分に突きつけるのはかなりきつい。
思ったのと違う世界で、思い描いたのと違う姿に甘んじているなぁ。
「リップヴァンウィンクルの花嫁」を観に行くのは、何故かとても怖い。