#024「誰よりも狙われた男」
フィリップ・シーモア・ホフマンの遺作(公開時期的には最後では無かったけれど)。劇場に観に行ったら満席で、結局DVD鑑賞になってしまった作品。
劇場で観たかった。
映画自体は私の大好きな潜入捜査もので、でもなんか、こんなにも感情が宙ぶらりんになってしまう映画も珍しい。
最後にわっと爆発する感情を、どこにもぶつけられず、終わった瞬間に、あー、フィリップはもう居ないんだ。という感情が一緒に宙ぶらりんになる。
悲しいとかよりも、とにかく寂しい。映画そのもののストーリーがどうと言うよりは、一人の俳優を観た。という感じだった。気がする。
最後に受けた衝撃だけはよく覚えている。
思惑と裏切り。凄く、人間臭いスパイ映画。
私は、彼の後期の作品しか知らなかったので、割と最近になって、ポール・トーマス・アンダーソンの初期作品を観て、ぶったまげたわけです。
フィリップ・シーモア・ホフマンの正しい使い方ってこれか!!!
カポ—ティーとか、ミッションインポッシブルとか脳内ニューヨークよりはるか以前の、ブギーナイツとマグノリアなのですよ。
その、白くて太い二の腕が演技しやがるのよ(悲)。キモくてエモくて、痛々しいこと(泣)、切ないこと(号泣)。
なんて不思議な俳優さんだったのだろうか。と、思う。
彼のからっと笑った作品とか、あったら観たいな。