008インターステラ_

#008「インターステラ—」

挫折しない女と挫折する男の話(違う)。
私は、アン・ハサウェイのこのラストシーンが死ぬほど好きです。エンドロールに切り替わった瞬間に、あぁ。。と劇場の天を仰ぎました。なんて話だ。
好きなシーンや好きな登場人物(娘とかTARSとか)や、宇宙空間すげー!とか色々あったけれど、全部吹き飛んでしまった。
この映画で何よりも強烈だったのは、エンディングの後に膨大に物語が続いていること。その後のマシュー・マコノヒーとアン・ハサウェイに思いを馳せてしまうところ。

男には、プランAしか無かったのだ。プランAに失敗して挫折して、でもその挫折もちゃんと報われて、そのおかげで人類は救われていて、結果として未来も家族も守れたのに、彼には居場所が無かった。彼には、宇宙空間を漂う以外に居場所は無かったのだ。

女は、プランAの可能性を失った瞬間、プランBに移行した。個人的な感情があった。としても、その離脱の仕方がGONE GIRL(#002)の妻に重なる。
ラストシーン、恋人であった人の墓標を置いて立ち上がる。覚悟の視線の先には恋人が残したコロニーとアメリカ国旗。そしてエンドロール。
コロニーには誰も居ないはずで、遠い未来、人類が救われることを彼女は知らない。プランAは、失敗に終わったのだ。あるのは、プランBの受精卵たち。
きっと、どうにか自分にそれらを移植して、人類を再スタートさせるつもりなのね、アン。なんて人なの!!!

で、男は、「銀河で彼女が待っているわ。」と、老いた娘に背中を押されて(軽い拒絶でもある)人類の星を飛び出し、ひとりプランBの星へと向かうのだけれど、私は、男がアン・ハサウェイに歓迎されるとはどうしても思えないのだ。きっとそこにも男の居場所は無い。また別の時間が流れて、家族を築いたコロニーで、年老いたアンに微妙に拒絶され、ずっと浦島太郎状態なのでは。。。
なんて悲しいんだ、マシュー・マコノヒー!!!

そして、私は早く「オデッセイ」が観たい。