#033「最強のふたり」
人と人は、組み合わせ次第でどんな風にでもなる。と、思っている。
極端なことを言えば、例えばDVみたいなことも、色々なことがあってそうなっていて、その組み合わせでなければそうはならなかったかも知れない。と。
※殴られる方も悪いとか、いじめられる方にも原因があると言いたいのではないです。断じて。
ただ、殴る人間やいじめる人間にとっても環境が与えられる影響は小さくないはずで、産まれながらに誰彼構わず殴っているわけではなかろう。そうならない方法がその以前に環境全体の中であったのでは?と思いたい。
そして、例えば学校や職場や家庭で、酷く辛い立場に置かれていたとしても、それは自分がそういう人間だから。ではなくて、組み合わせが悪いから。と、思って良いのだと言いたい。だから、死ぬほど無理をする必要はなくて、組み合わせを変えてみようよと。
で、映画は、障害を抱えた白人の富豪と、貧しい暮らしをしている黒人青年の話。この二人が、互いにとって良い組み合わせで、色々なところを埋め合える。
必要だったのは、学歴や介護経験ではなくて、自分をただの人として見てくれる。というもの凄く普通なこと。それだけで、凄く救われる。
黒人青年も、社会の中から必要とされることで卑屈な気持ちが和らいで、家族に対する余裕と、責任感が生まれる。
でも、自分にとって何が一番必要かは、目の前に差し出されてみないと分からないのよね。と、思う。話を聞いてもらいたいのかも知れないけれど、誰でも良いわけではない。それこそ、組み合わせ次第で。
全体に流れている、ピースフルな雰囲気が、きっとそういう撮影現場だったんだろうなと思わせる。カメラの向こうで笑っている人が見える気がする映画。