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*001 音の話

電話が苦手です。電話は出た瞬間から最短で切りたいし、電話で話すことは全然楽しいことではないので、仕事以外で電話をすることはまず無い。
仕事にしても、相手の言っていることを聞き取ることに精一杯で、電話であーだこーだ疑問を投げかけられたり、その場で返答を要求されたりすると、とても困る。
幸いにも仕事は図面やデータのやりとりが中心なので、電話で確認出来るのはスケジュール程度で、殆どがメールに添付されたものと、質問書の様な形になるので困ることはない。大変助かる。

子供の頃から長年音楽の習い事をしていて、割と一生懸命やっていたので、「私の聴覚は音楽を聴くために特化されているのだ」などと、自分の中で開き直っていたのだけれど、最近、聴覚情報処理障害(APD)という記事を読んでびっくりした。
そう言えば、大きな声で怒鳴られたりする(かつて仕事場にそういう人が居た)と、最大瞬間風速の様なものは感じられるのだけれど、何を言われているのか内容がさっぱり入ってこないんだよなーとか思っていたっけ(酷い)。

子供の頃から体調が悪い時などに全ての音が怖く感じられて、この「なんか音が怖い」を誰にも説明出来なかったけれど、これも大人になってから、「聴覚過敏」という言葉にぶつかった。

こうした自分の中では当たり前の、だけどちょっと人とは違うかもしれない事案に名前が付いて大変にすっきりする時がある。世の中全体ではなくても、認知されている事態なのだというだけで、どうしてこんなに霧が晴れるのだろうか。インターネットというのは大変に有意義(なんだそれ)。

同じ色を指さして「青」と言っても、相手がどんな色調のものを見ているのかは分からない。きっと人の数だけ見えている景色は存在するだろうと思う。
同じように、聞こえている音も違って当然よね。と思う。