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2025年2月21日の日本株概況と騰落率ランキング

◆マーケット全体の動向


21日(金)の東京株式市場は、日経平均株価が3日ぶりに小幅反発しました。終値は前日比98円高の3万8776円(+0.26%)となり、一時200円超下落した序盤から持ち直しました。東証株価指数(TOPIX)もわずかに上昇し、下げ止まりました。朝方は前日の米株安や円高進行を受け売り優勢で始まりましたが、日銀総裁の発言をきっかけに為替が円安方向に振れたことで買い戻しが入り、プラス圏に浮上しました。新興市場指数(グロース市場)は小幅ながら続落となりました。

◆本日注目のニュース

前日の米国市場では、小売大手ウォルマートの業績予想下振れを嫌気してNYダウが大幅安となり、東京市場のセンチメントも序盤は悪化しました。また、トランプ米大統領が自動車や半導体への関税引き上げ方針を示したことで貿易摩擦への警戒感も広がりました。一方、国内では日銀の植田総裁が国会で「長期金利が急上昇する局面では機動的に国債買い入れ増額を行う」と述べたことが伝わり、将来の金融引き締めへの不安が和らいだ面があります。この発言を受けて為替相場は一時1ドル=149円台の円高水準から150円台前半まで円安に転換し、輸出株を中心に買い材料となりました。

◆個別銘柄の動き

個別では、半導体製造装置などハイテク株に買いが入り、アドバンテストや東京エレクトロン、レーザーテックが上昇しました。ディー・エヌ・エー(DeNA)は売買代金トップとなる人気で急伸し、日産自動車もテスラによる対日投資計画の観測報道を背景に大幅高となりました。資生堂やソニーグループ、伊藤忠商事、楽天グループなども堅調でした。一方、メガバンクの三菱UFJや三井住友FGが金利動向への懸念から下落したほか、トヨタ自動車やファーストリテイリング(ユニクロ)も軟調で、指数の上値を抑える展開となりました。また、信用取引規制が強まった銘柄や公募増資を発表した銘柄が売り込まれる場面も見られました。

2025年2月21日(金)の値上がり率ランキング(上位10銘柄)

1位

3195 ジェネレーションパス(東証グロース)
前日比 +20.6%(ストップ高)
特段の新材料はありませんが、個人投資家の投機的な買いが集中し年初来高値を更新しました。eコマース事業を展開しており、業績拡大期待や物色人気から大幅上昇となっています。

2位

6190 フェニックスバイオ(東証グロース)
前日比 +19.6%(ストップ高)
2025年3月期第3四半期(4-12月)の連結売上高が前年同期比13.9%減と減収となり経常赤字へ転落しました。しかし悪材料出尽くし感から買い戻しが入り、業績底打ち期待もあってストップ高まで買われました。

3位

5243 note(東証グロース)
前日比 +19.2%
人工知能(AI)関連銘柄として物色されています。生成AIなど最新技術を活用したサービス展開への期待感から投資資金が集まり、大幅上昇となりました。
4位

4237 フジプレアム(東証スタンダード)
前日比 +18.2%
旅行大手HISと提携し、ペロブスカイト太陽電池の製品開発を加速することを発表しました。再生可能エネルギー分野での協業による事業拡大期待が高まり、材料視された同社株は急伸しました。

5位

9962 ミスミグループ本社(東証プライム)
前日比 +16.9%
中国アリババ集団が大規模な投資拡大方針を示したとの報道を受け、関連銘柄として思惑買いが入りました。これを材料視した投資家の買いが集中し、株価評価が見直されたことで大幅上昇しました。

6位

2307 クロスキャット(東証プライム)
前日比 +15.6%
今期業績および配当予想の上方修正を発表しました。業績見通し改善と増配期待が好感され、投資家の買いを集めています。堅調な業績動向を評価する動きから株価は大幅高となりました。

7位

278A Terra Drone(テラドローン)(東証グロース)
前日比 +15.5%
米国代理店との販売契約締結を発表し、海外展開による事業拡大期待が高まりました。ドローン関連銘柄としても注目され、成長期待を背景に買いが殺到して株価は急騰しました。

8位

4892 サイフューズ(東証グロース)
前日比 +15.2%
明確な新材料はないものの、前場にストップ高に達するなど物色人気が継続しました。再生医療ベンチャーとして将来性を期待する買いが続いており、引き続き高い上昇率を記録しました。

9位

2432 ディー・エヌ・エー(DeNA)(東証プライム)
前日比 +13.9%
国内大手証券会社が同社の業績予想を大幅に上方修正し、目標株価を引き上げました。これを材料視した投資家の買いが集中し、株価評価が見直されたことで大幅高となりました。

10位

9561 グラッドキューブ(東証グロース)
前日比 +13.1%
人工知能関連のサービス展開に期待が寄せられています。AI技術を活用したマーケティング支援など成長分野での活躍が期待され、テーマ株物色の流れに乗って大きく買われました。

値下がり率ランキング(上位10銘柄)


1位

5535 ミガロホールディングス(東証プライム)
前日比 –18.3%
東京証券取引所が当日から同社株の信用取引における委託保証金率を50%(うち現金20%)に引き上げる規制を発表。信用取引での資金負担増を嫌気した個人投資家の売りがかさみ、大幅安となりました。

2位

3559 ピーバンドットコム(東証スタンダード)
前日比 –15.5%
前日まで続いた下落による値ごろ感から朝方には買い戻しが入り、一時ストップ高まで急騰しました。しかしその後は急伸に対する利益確定売りに転じ、引けにかけて上げ幅を吐き出して大幅反落しました。

3位

8918 ランド(東証スタンダード)
前日比 –12.5%
低位株特有のボラティリティの高さが表れました。直近まで短期資金の思惑的な買いで株価が8円まで上昇していましたが、新たな材料難の中で反動売りが出ています。利益確定売りに押され、終値ベースで1円安(–12.5%)となりました。

4位

3823 THE WHY HOW DO COMPANY(WHDC)(東証スタンダード)
前日比 –11.7%
IoTサービス関連の小型株で、2月上旬まで急騰していた反動から調整局面に入っています。目立った新材料はなく、直近の急ピッチな株価上昇による過熱感から売りが優勢となり、大幅続落となりました。

5位

6731 ピクセラ(東証スタンダード)
前日比 –11.4%
2月14日に発表した2025年9月期第1四半期決算で最終赤字が前年同期から若干縮小しましたが、依然として厳しい業績状況に大きな改善は見られません。直近急騰していた反動でこの日は利益確定売りが出て、株価は再び下落基調となりました。

6位

6171 土木管理総合試験所(東証スタンダード)
前日比 –11.1%
前日に1対2の株式分割実施を発表しストップ高まで買われましたが、その反動でこの日は朝から利食い売りに押され、前日の急騰分を吐き出す形で大幅反落しました。

7位

6835 アライドテレシスホールディングス(東証スタンダード)
前日比 –9.6%
年初来高値圏まで株価が急騰し、25日移動平均線との乖離率が100%超と過熱感が顕著でした。サイバーセキュリティ関連のテーマ人気で上昇していた銘柄ですが、この日は過熱感からの利益確定売りが優勢となり、大幅安に転じました。

8位

4673 川崎地質(東証スタンダード)
前日比 –9.5%
前日に地中レーダーの探査深度向上技術を発表し株価が急騰していましたが、その反動でこの日は材料出尽くし感による利益確定売りが広がり、大きく値を下げています。

9位

4593 ヘリオス(東証グロース)
前日比 –9.3%
1月27日に発表した前期(2024年12月期)の最終損益見通しで赤字拡大を公表しており、連続して大規模な最終赤字となる見込みです。資金繰りや開発計画の先行き不透明感から売り圧力が強く、株価は下落基調が続いています。

10位

2330 フォーサイド(東証スタンダード)
前日比 –9.3%
人工知能関連の低位株として直前まで物色されていましたが、この日は材料難の中で手仕舞い売りが優勢となりました。前日までの急騰に対する反動や需給悪化により、大幅安で取引を終えています。

今週もお疲れ様でした♪

来週も張り切ってまいりましょう


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