【おさらい】止まらぬ物価上昇。2024年までの日本インフレ動向整理

日本ではこの半年あまり、じわじわと物価上昇(インフレ)が続き、日々の生活に影を落としています。長年デフレや低インフレが常態だっただけに、食料品やエネルギーの値上がりに戸惑い、「このまま物価が上がり続けるのでは?」と不安の声も聞かれます。ここでは直近6か月間のインフレの状況を振り返り、その内訳や要因、政府・日銀の対応、企業・消費者の反応、そして今後の見通しについてまとめます。

消費者物価指数(CPI)の推移と内訳

総務省統計局の発表によると、消費者物価指数(CPI)は2024年夏頃から緩やかな上昇基調が続きました。2024年8月頃の全国CPI上昇率は前年同月比で約+3.0%でしたが、秋にいったん+2.3%程度まで鈍化した後、年末にかけて再加速しています (2020年基準 消費者物価指数 全国 2024年(令和6年)12月分及び2024年(令和6年)平均)。最新の2024年12月分では、全国CPIが前年同月比+3.6%の上昇となり、この半年間で最も高い伸びを記録しました (2020年基準 消費者物価指数 全国 2024年(令和6年)12月分及び2024年(令和6年)平均)。生鮮食品を除くコアCPIも+3.0%と前年より3%上昇し、エネルギーと生鮮食品も除いたコアコアCPIでも+2.4%と2%台半ばの上昇が続いています 。つまり、エネルギーや生鮮食品といった変動の大きい品目を除いても、物価はじわじわ上がり続けている状況です。

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