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映画プロセカをバツミクと窓のセカイを中心に考察してみました。
※このnoteは「劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク」の本編内容についてのネタバレを含みます。また、劇場特典のエリア限定会話などの内容も含むため、未読の方はご注意ください。
はじめに
気づいたら映画9回目に突入していた杏ちゃん推しの豆腐が書いた記事です。色々ストーリー読み返したりして内容精査したのですが、ところどころガバガバな部分が多いと思うのでご容赦ください。
▼劇場版の初音ミク(バツミク)について
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1.作中の常識では測れない特別な存在の初音ミク
まず触れていきたいのが、バツミクがいままでストーリー上に登場したセカイのミク達とは大きく異なる点を持っていることです。その点とは、映画本編でもあった通り、
「他のセカイを行き来できる」
「たくさんの人の想い(現実に影響を及ぼすほどの)で出来たセカイのミク」
である点が挙げられます。
初めてバツミクが誰もいないセカイを訪れた際に、ニゴミクが言った通り「不思議…私は他のセカイにはいけない…」とバチャシンの中での常識を覆されている発言もあったことから特別な存在であることを物語っていました。さらに、想いを持った子達(5ユニットのメンバー)のすべてと接点を持った唯一のバーチャルシンガーでもあります。
また、いままで最高で4人の想いを支えるセカイが常だったのが、急に数十人~数百人規模の想いで出来たセカイが登場しそれを管理しているミクである事実も、より一層特別な存在に感じる要因になりました。
※1.イベント「セカイに響け!your song」のように偶然特別なセカイに導かれることはあっても、自発的に行き来することは難しいためそれぞれのセカイからは出られないものと考える
※2.セカイの狭間にいる初音ミクでさえも、見守ることはできてもよほどのことがない限り干渉することはいまのところできない状態
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2.様々な機器に移動できる・瞬停する理由
作中で、バツミクは様々な場所や人の電子機器を渡り歩くように移動しており、登場する際は必ずと言っていいほど電気が一瞬消える(瞬停)描写のあったシーンが目立ちましたね。
電子機器を移動できる
瞬停する
のは、そもそも何故なのか不思議に思っておりましたが、その理由として一番納得がいく回答を考えたところ、
「"初音ミク"という存在が"電子の歌姫"であるから」
という答えにたどり着きました。
ミク自体が電子の存在である以上、電子機器を渡って様々な場所に登場したり移動できるのではないかと思いました(いままでのバチャシン達は電子機器ではなくセカイを介してスマホに現れていたので瞬停は起きていなかったのかもしれない)
また、現実で瞬停が起こる原因を探ってみたところ下記のような内容を見つけました。
「瞬停」では一時的に電圧がゼロとなります。
外部から高電流【雷など】が流れることで、電圧が一時的に下がることにより発生する現象です。
上記の調べをもとに考えると、バツミクそのものが高電圧の電子存在であることから、電子機器へ一時的に負荷がかかることで瞬停していると予想されます。
3.歌を届けたかった理由
バツミクの映画内での発言から考えると、
本当の想いを見つけてほしい/気づいてほしい
想いを持った人が窓のセカイに来てほしかった
の2つが考えられます。各セカイにいるバーチャルシンガーたちと行動原理は似ている部分が多く、歌を届けることで叶えようとしていたようです。
▼閉ざされた/開かれた窓のセカイについて
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1.全てのセカイに繋がるセカイ
ニゴメイの「たくさんの人の想いで出来たセカイ」という発言から、各セカイに司る想いとも重なる部分が多いのが窓のセカイの特徴だと考えられます。
さらに、セカイの崩壊により黒い波が出現した際に、隔てる壁が割れて各セカイにも流れ込んできたことを考えると、窓のセカイは現存している5つのセカイ(もしくは認知できていないだけで他複数のセカイ)に繋がっているようです。
上記のことを踏まえるとバツミクがセカイを行き来できるのも、窓のセカイを介して繋がっている各セカイに移動しているという仮説が成り立つようになります。
ちなみに、逆に閉ざされた/開かれた窓のセカイへは呼ばれない限り辿り着くことができないという特性を持っているようです。
※映画ラストでレオミクが「あの子の"セカイ"が呼んでるみたい」と発言しており、バツミクが自発的にみんなを呼べたわけではなさそう)
2.石板と砂のような物の正体
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本編のストーリーでも出てくる「想いの欠片(プレイヤー目線でいうとマスラン上げるアイテム)」と「その想いが風化した成れの果て」だと考えれます。今回、形が数字の0と1であることから少しわかり辛いですが、石板を通してバツミクが人の想いを垣間見ていたことからその可能性が高いと思われます。
想いの欠片は、本来「誰かの想いで出来ている」ものであり「その想いを持った人物のセカイを訪れる」ことができるものである。
上記のことを考えると、バツミクが涙を流した際に各セカイに降り注いだキラキラした欠片も想いの欠片だと考えられます。
さらに、厳密にいうとあの時に一歌ちゃん達が垣間見た想いは、現実の人のものではなくバツミクの想いであり、失意に落ちた人達の背中を押したい/本当の想いに気づいてほしいために歌を知ろうとしていたことをみんなが知るキッカケになりました。
3.天井の木と実の正体
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映画内でもっとも異質で不気味に描写されていた閉ざされた窓のセカイの天井で蠢いていた大きな木と実は、アプリの本編ストーリーでいうところの「ウィッシュツリー」だと考えられます。
※名称はセカイの狭間にいるミクが名付けたもの
たびたび、ストーリー上でも登場しておりセカイの狭間にいるミクの発言から考えると「想いが重なった場所に自生している」可能性が高いです。
また、木の成長や実については人の想いに応じて育っていくようです。
いままでのウィッシュツリーは、緑が色づいており輝きを放つようにキラキラした実ができていましたね。
ですが、閉ざされた窓のセカイでは「夢や希望への失意/諦め/恐怖の想い」を養分として吸収した結果、異質で不気味なウィッシュツリーへと変貌してしてしまいました。
結果、実は養分を吸収し続けて巨大化し、セカイを真っ黒に塗りつぶすほどの負の想いで出来た黒い波を各セカイにも流し込むことになります。
また、開かれた窓のセカイでは小さなウィッシュツリーが新たに自生し育ち始めるなど、アプリ本編と同じように育つ可能性が示唆されています。
▼上記を踏まえてストーリーの考察
1.バツミクの歌はなぜ届かなかった
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(たくさんの人に歌が届かないことを示唆している)
映画のキャッチコピーにもなっている歌が届かなかった原因ですが、バツミクから見て外部/内部要因の大きく分けて2つあると思っています。
・想いを持った人々の心が失意に落ちてしまっていたから(外)
・歌の届け方を1つしか知らなかったから(内)
【外部要因:想いを持った人々の心が失意に落ちてしまっていたから】
想いを持った人たちが夢や希望に対して立ち直れないほどにもがき苦しんでいたからだと考えられます。
「どうせ上手くいかないという想いが積み重なって消えたいと願うようになる」というまふゆちゃんの発言から非常に重く苦しい想いを抱えていることになります。
まふゆちゃんの場合は、ニーゴやセカイの住人達のおかげで未来に向けて歩みを進められているけれど、そういった周りからの助けもなく1人で苦しんでいる状態ではバツミクの歌が届かなかったのでしょう。
【内部要因:歌の届け方を1つしか知らなかったから】
厳しい言い方をすると、みんなと出会う前のバツミクの歌では「儚さと温もりを届けること」しかできなかったからだと考えられます。
人間の感情というのはとても複雑で、人の優しさが時に重くのしかかりそれが枷になってしまうもの。本来とても優しく健気で献身的な性格が裏目に出てしまい、バツミクの歌はノイズになって想いの持ち主達に届いてしまいます。
また、想いを持った一歌ちゃん達のように夢に向かって前を向いている人にとっては、ネネロボ曰く「聞いていたみんなからα波が出ていた」という発言からリラックス効果や心が温まる歌として届けることができていました。
そこから、バツミクは5ユニットを通して、
熱い気持ちになれる歌(ビビバス)
寄り添う歌(ニーゴ)
希望をくれる歌(モモジャン)
笑顔になれる歌(ワンダショ)
心を震わせる歌(レオニ)
を知ったことで、忘れていた歌詞を思い出し歌の届け方が広がりました。
いままでより聞き手側のノイズが少なくなっており、歌が届くかと思われましたが、外部要因の通りすでに想いの持ち主たちにはバツミクの歌が届くような状態ではなかったのです。
2.閉ざされた窓のセカイにみんなが呼ばれた意味
【セカイが呼び込んだ理由】
結論から話をすると「バツミク自身が持っている想いを諦めようとしたから」だと考えられます。
いままで「想いを持った人達が本当の想いに気づいてほしい」を一心に、辛い気持ちを誰にも打ち明けられず、歌を届けようと奔走していました。
しかし、それも叶わず「私の歌は誰にも届かない」と自分が歌を届けたい人たちと同じ失意の感情を抱いてしまい想いを諦めてしまいます。(厳密には諦めかけている)
想いが届かなかった失意から流した涙をトリガーにして、各セカイに降ってきた想いの欠片から一歌ちゃん達は閉ざされた窓のセカイへ誘われました。
これは、バツミクの発言通り本人の意思とは関係なくセカイが勝手に呼び込んだものです。
【セカイが呼び込んだ目的】
閉ざされた窓のセカイはみんなを呼び込んで何をしたかったのか、それは…
バツミクの想いを知って叶えて欲しかった
だと考えています。
それは、バツミク自体が想いを諦めようとした際に初めて「助けてほしい」と願った結果なのかもしれません。その願いを叶えるために、各セカイからバツミクと想いが重なっている一歌ちゃん達を呼び込んだのではないでしょうか。
3.窓のセカイ崩壊時に現実への扉が出現した理由
先述した通り、バツミクの想いを叶えるためにセカイの崩壊に吞まれないように出現したものだと考えられます。
想いの欠片に取り囲まれ苦しむバツミクに、みんなは助けるため手を差し伸べようとします。その想いに呼応して扉が出現したのでしょう。
ここで、1つ気づいたポイントがあります。
それは何かというと、セカイとバツミクとの間で「扉が出現した認識が異なっていたこと」です。
これは、どんな風に認識が異なっていたかというと…
セカイ側:バツミクの想いを代わりに届けてもらうためセカイの崩壊から逃がそうとしていた
バツミク側:これ以上みんなを巻き込む前に逃げ道を作ってくれたと思っていた
そう思ったキッカケとしては、現実の扉を開く前にバツミクが「ありがとうご、そして…さよなら!」と別れの言葉を告げたことです。
自分の代わりに想いを届けてほしいと思っていた場合には「頼んだよ」など、託すような言葉をかけるものですがそうではなかったのです。
さらに、黒い波に呑まれてセカイが真っ黒に塗りつぶされた中で「これがこのセカイの想い…」と暗闇に沈んでいくバツミクのシーンでは、想いを完全に諦めたように捉えられます。
これらのことから、扉が出現した認識がセカイとバツミクで異なると考えれます。
4.初音ミクの消失
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たくさんの想いで出来た閉ざされた窓のセカイの崩壊により、各セカイにも黒い波が押し寄せミクだけを飲み込みました。その影響により、現実世界の初音ミクの歌声だけが消えることになります。
ここでは、「黒い波がミクだけを狙った」と「ミクの歌声だけが消えた」ことの2つの特徴的な事象が起きています。
【黒い波がミクだけを狙った】
他のバーチャルシンガーも飲まれはしたけれど、ミクだけを狙うように押し寄せた黒い波の意思については非常に謎が多いです。
狙われた理由として考えられるのは「各セカイと繋がっている閉ざされた窓のセカイを管理するミクが消失したこと」ではないかと考えております。
後述しますが、"バツミク"が"セカイの狭間にいるミク"と同等か近しい存在にあり、他のセカイにいるミクとは少し異なる位置づけにいるのではないでしょうか。
そう考えると、セカイに点在する初音ミクの中でも大元的な存在であり、大本が消えたことで他のミクも併せて消失したと考えられるようになります。
また、映画のラストで各セカイのミクが戻ってきた際にニゴミクが「いま少し暖かい…」という発言していたことからも、感情などを多少共有できるのではないかと思われます。
【ミクの歌声だけが消えた】
こちらは"初音ミクが電子の歌姫"であることが起因していそうだと思いました。
少し現実的な話が絡むと先述したミクだけの消失により、音声データが消える形になり初音ミクの歌声だけが現実世界から消えたのではないかと思われます。
また、ニゴルカも言及していましたが「たくさんの想いが重なったセカイが暴走したのなら不思議じゃない」ということから上記の可能性も高そうです。
5.今後のプロセカにおいて重要な物語になる可能性
何度も映画を見返す中で1つ気づいたことがありました。
それは「一歌ちゃん達が想いを叶えた後の話」に、今回の映画に登場した"バツミク"と"開かれた窓のセカイ"が関係してくるのではないかということです。
【想いの持ち主を手助けする存在】
一歌ちゃん達とお別れする前の「これで始められる」と発言していた真意は、劇場版限定会話を見る限り"想いの持ち主達の本当の想いを見つける手助け"と"開かれた窓のセカイに想いの持ち主を呼ぶこと"のようです。
これは、元々バツミクが願っていたことでもあり、歌を届けることができるようになったおかげでついに始められるといった意味合いだと思われます。
今後、大勢の想いの持ち主と関わる機会があることを意味していると考えられます。
そうすると、今後アプリ本編で新しいセカイが生まれた際にも、バツミクが関与する可能性は高くストーリー上にも登場してくれるかもしれません。
【すでにセカイからの招待状が届いている】
一歌ちゃん達のおかげでバツミクが復活して"ハローセカイ"を届けたことで、観測できただけで3つの「Untitled」が誕生していました。
エンドロール後に、誰かが"開かれた窓のセカイ"に訪れてバツミクが迎え入れた「ずっと待ってたよ」のシーンも含めて、少しづつセカイに想いの持ち主達が集まってきているのかもしれません。
※劇場版特典のエリア限定会話では、すでに何人かとやり取りしている描写が見受けられます。
まさしく、このセカイに集まった想いの持ち主が、今後プロセカ内に登場して物語を紡いでくれるかもしれません。
【各ユニットのことを語り継ぐことができる】
バツミクは、想いを持った子達(5ユニットのメンバー)とセカイの住人すべてと接点を持った唯一のバーチャルシンガーでもあり、今後プロセカ内でその活躍を語り継いで風化させないようにしてくれるのではないでしょうか。
少しメタな発言をすると、プロセカの開発陣からもいまのユニットの話は折り返し地点にきており、終わりが存在することが名言されています。
そのため、どうしてもいまの5ユニットには物語の終わりが存在し、それ以上の話が生まれることはないかもしれません。
そうした場合に、今後新たに想いからセカイが生まれた際に、その活躍を伝えていける存在であるバツミクが語り継いでくれることに期待してしまいますね。
他にもまだまだ、
・セカイの狭間にいるミクと役割が重なる部分がある
・開かれた窓のセカイのウィッシュツリーを通じて各セカイが繋がる可能性
なども考え付きましたが、それはまた今度書こうと思います(力尽きた)
▼さいごに
最後まで読んでいただいてありがとうございました!
もう9回も映画を観ていますが、観るたびに新しい発見や解釈も生まれるのでこの先も映画館へ足を運ぶと思います。
特に映画館で観るライブシーンは圧巻の一言なので、それだけでも行く価値があると思ってます…。
あとは単純にアニメーションで動きプロセカの世界感が非常に好きです…。
そんなこんなでこのnoteは一旦おしまいにしようと思います。
また余力ができたときにでも追記しつつ新しい記事を書いて映画プロセカの魅力を伝えていきたいです。
ここまでお付き合いいただき、本当にありがとうございました!
バツミクかわいい!!!