鎌倉ごはん日記 洋食編
ふだんのふつうのごはん、ときどきスペシャル
簡単な自己紹介です
都内から鎌倉に引っ越してきて四半世紀。25年は長いようで短い、短いようで長い鎌倉での暮らしで出合った「ごはん」をご紹介します。鎌倉は小さな町なので、たいていのおいしいお店は雑誌だったり、グルメな皆様のSNSなどで紹介されております。なのでワタクシの記事は、お店紹介ではなくて、お店やお店で食べたものにまつわる思い出、連想したコトガラやモノなどについて書かせていただければと思っております。
もちろん! 私の書いたものをきっかけに、鎌倉に足を運んでくださったり、お店を訪ねてくださったりしたら、とてもうれしいです。
洋食 「レストランCARO」 鎌倉市長谷
鎌倉に引っ越してきた当初はまだ今のようにSNSが浸透しておりませんでしたので、私の知る限り、いわゆる洋食屋さんは長谷の「レストランCARO」と小町通りにある「コアンドル」ぐらい。「コアンドル」はコース料理のみなので、ちょっとかしこまって(?)行くお店。一方、ふだん使いできるのが「レストランCARO」です。ただとても小さなお店なので行列ができていることも少なくなく、あきらめることもしばしば。もしいらっしゃるなら、やはりオープン時間を目指されるとよいかと思います。
ふだん使いに、と言いつつ、めっきり外食が減ったワタクシたちも、CAROにうかがうのは数年ぶり。今回、オーダーしたのは次の3品です。
デミグラスソースはほんのり苦味のあるおとなの味。グラタンソースはシャバシャバ系。このシャバシャバソースにパンをつけて食べると美味!
洋食といえば、浅草「ヨシカミ」が子ども時代の定番でした
私の実家は東武伊勢崎線沿線で、父が映画会社に勤めていたこともあり、子どもの頃から、よく浅草に遊びに行きました。私が子どもの頃でさえ、レトロということばがぴったりだった遊園地「花やしき」で遊び、帰りには洋食屋さんの「ヨシカミ」に寄るというのが定番のコース。
「ヨシカミ」は活気のある昔ながらの洋食屋さん。何を食べてもおいしく、カウンター席に座って、白いコック帽をかぶったたくさんの人たちが、キビキビと働く姿を見るのは、子どもの私にとってもワクワクする時間でした。父はよく言えば、気さく。悪く言えば図々しい人なので、コックさんたちに遠慮なく話しかけます。
大きなフライパンで焼いているポークソテーに、コックさんがビンに入った調味料を振りかけると「いま何を入れたの?」と父。「ヤダ! コックさんは今、真剣にお料理作っているのに怒られちゃうよ」と心の中でつぶやく私。「企業秘密。教えられるワケないじゃないですか」とちょっと不愛想に答えるコックさん。そんなやりとりを見るのも、お外ごはんの愉しみでした。
名キャッチコピー、「旨すぎて申し訳ないス!」
父が仕事帰りにおみやげに買ってきてくれるヨシカミの「ハンバーグサンドイッチ」も大好物。サンドイッチの入っているボックスにも、ボックスを入れる紙袋にも「旨すぎて申し訳ないス!」というキャッチコピー。このセリフも、プリントされた文字も大好きでした。
先日ふと「まだあるかなあ、ヨシカミ」とインターネットで検索すると、なんとオンラインショップが! すぐにオーダーしたのはいうまでもありません。どんなにおいしいお店でも、冷凍でも常温でも通販だと味が落ちるような気がします。どうやったって、お店で食べるおいしさにはかないません。「ヨシカミ」もそう。それが当たり前。
でも通販でも、「ヨシカミ」の献立は十分に「旨すぎて申し訳ないス!」でした。