レコードで聴くカレンの声に癒されて
私は突然、無性に、レコードの音が聴きたくなったのだ。
疲れてるのかな?自分、、、なんて考えながら
夫が昔から収集していた様々なジャンルのレコード盤の中からカーペンターズのLP盤を1枚選ぶ。
夫が長年こだわって揃えたレコードプレーヤーもアンプもスピーカーも数年前に全て処分してしまったので、今我が家にあるのは娘が夫の誕生日にプレゼントしたおもちゃのようなほぼインテリアのような水色のトランク型のかわいいプレーヤーだけだ。
オーディオ機器を処分した時にレコードも一緒に処分しようと提案したが夫がそれだけは頑なに拒否したので未だレコードだけは残っている。
古いレコードに針を慎重に落とすと、聴こえてきたカレンの歌声にすぐさま私の体の中の細胞が反応するのを確かに感じた。
いい。すごくいい。
泣けてくるくらいいい。
A面が終わると盤をひっくり返してB面にまた針を落とす。
そんな作業もまた音楽に集中できて心地よい時間が流れる。
回るレコード盤をじっと見つめながら、しばらくレコード鑑賞を楽むことにした。
もう一度、夫の部屋から今度は適当に何枚か
レコードを選んで持ってきた。
次はイーグルスを。
TAKE IT EASY〜〜DESPERAD〜
いつ聞いてもいい曲はいい。
染みる。
久しぶりに聞くクラプトン、クイーン、ビートルズ、、、、
最近は私もスマホで流行りの曲を聴くことが多かったが、こんな風にゆっくりと本当に自分が好きな音楽を楽しむ時間をすっかり忘れていたように思う。
常に何かをしながら音楽を聴く形が普通になっていたが、こうしてレコードで音楽を聴くのも素敵な時間なんだと再認識した。
夫が帰ってくるとリビングに置いたままのレコードを見て、夫もまた私と同じようにレコードに針を落とす。
「いいなぁ〜〜」
「いいよね!」
なんて言い合いながら、しばらく二人でレコードを聴いた。
一人で聴くも良し、二人で聴くもまた良し。
夫は次の休みにレコード屋さんへ出かけて行った。
探していたものは見つからなかったようだが、
ちょっと時間に余裕が出てきた私達世代には日常の中で少しの時間、レコードを楽しむのもいいなぁと感じている今日この頃。
子ども達が家を出て新婚以来の夫婦二人だけの生活になった私達だが、生活リズムも違うし夫婦共通の趣味もないので、何だか家が「シェアハウス」みたいになってきている。
それはそれで自由で楽なのだが、これから先を考えるともう少し夫婦二人での生活を楽しむ努力も必要なのかなと思ったりする。
今なら私も夫の好きな音楽に寄り添えそうだわ。
今日もレコードを一緒に聴きながら淹れたてのコーヒーを飲む。