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アイスの顔になる
◆第3試合 シングルマッチ 時間無制限1本勝負
○星いぶき(16分58秒 いぶning star)松下楓歩×
個人的2023年アイスリボンのベストバウトはこの試合。大晦日の後楽園ホールも熱戦だったけれど、内容的にもアイスといぶきさんの道筋を明るく照らした意味でも、SKIPシティでの試合がマイベスト。
この頃の2人はすれ違いが表面化して誤爆を続けていた。殺伐とした関係に決着をつけるための無制限一本勝負。情動的な攻防。雷のようなビンタに吹っ飛んで涙を湛える楓歩さん。感情の迷子で目を腫らしているいぶきさん。こんなに敵対視する2人を見たくな・・・いや見入ってしまう。怒りと悩みとプライドをぶつけ合う魂のプロレス。気づいたら涙が止まらん。
選手間での嫉妬心なんて、ファンが邪推することはあっても本人が公表することはあまりない。しかし、楓歩さんを いぶning star で沈めた後、いぶきさんがマイクでさらけ出した。
「楓歩に自分のイライラを、もしかしたらぶつけていたのかもしれない。楓歩はまだキャリア2年かもしれないけど、試合ができて、発信力もあって、お客さんが楓歩楓歩楓歩って応援したくなる。それを見て、自分に対してイライラしてたんだと思う。Twitterもさあ、こっちが書けば悪いこと言われて、でも書かなくて悪いこと言われて。もうなんなのかなってすごい思ったし、でも、前に志田光と組んで発信することは大事だなっていうのはわかった。プロレスは体や個々の選手の強さだけじゃないっていうのは理解してる。SNSもあってこその、一人一人応援されていくと思う。でも、怖くて、SNSは更新できない…(泣きながら言葉に詰まる)」
その言葉を受け止めて、応える楓歩さん。
「いぶきさんて繊細なんですね。あー、 SNS疲れって今の世界だったら誰しもなるんじゃないですか? 私だって今年入って一回なりましたよ。だけど、そんなこと言ったら今のアイスリボン、発信力がものすごい人なんて私は1人もいないと思います。だからみんなで発信力オバケって言われるぐらいやっていきましょうよ、いぶきさん。心無い言葉とかそんなのは社長とか今暴れているリボンヌとかが処理してくれると思うから。私たちはアイスリボンを見てくれる人を、そしてこれから私たちの試合を直接見に来てくれる人を増やすために、これからも発信していきましょうよ。私は今のアイスリボン、星いぶきが変な道に行ったら、もうダメなんじゃないかって思うぐらい、いぶきさんは大事なんですよ!それは分かってください。」
このとき吹っ切れたいぶきさんの表情といったら。悩みも嫉妬心も全て消えて輝いていた。この時からいぶきさんは変わった。尻込みしていたマイクは躊躇がなくなり、発信も増えて、アイスを背負う風格が備わってきた。そして遂に第37代ICE×∞王座として天色のベルトを巻いた。彼女の躍進は楓歩さんの存在が大きいと言える。
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一方、楓歩さんもいぶき超えを目指して努力を重ねてきた。そして大晦日の後楽園ホール。RIBBONMANIA2023のメインイベントで、いぶきさんと楓歩さんは再びリングで対峙した。
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いぶきさん防衛。ファーストスターの壁はまだまだ高かった。でも楓歩さんの伸びしろは無限大。ファンの期待も大きい。いぶきさんも一層強くなるだろう。2人は完全にアイスの顔になった。しかし、彼女たちを超える(かもしれない)存在も芽を出している。
アイスリボン今年も楽しくなりそうだ。
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