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豪雨リボン&灼熱リボン
7月31日(水)雨
タリーズを出て階下に降りると西川口駅の構内が騒がしい。コンコースに人だまり。不意の豪雨を受けてみんな雨宿りをしている。(通り雨ならよいけれど)雨雲レーダーをのぞくと、茜色の魔雲が埼玉全域に張り付いていた。止む気配はない。
『アイスリボン1361~藤本つかさ生誕プロデュース興行~』
この特別な興行のために、わしは早々に仕事を切り上げて栃木から駆け付けていた。道場ではつっかさんプロデュースの楽しそうなカードと、コスチェンした選手たちと楓歩さんが待っている。多少の雨なんて関係ねえ。向かおう。開場が迫っている。
(思ったよりもやべえ雨)目深に帽子をかぶり、ウィンドブレーカーのフードを重ねる。リュックを抱えて、盾のように傘を広げた。雨槍を浴びながら黙々と歩いていたけれど、ホテル街を抜けた辺りで思わず足を止めた。
道路が・・・川・・・
側溝から冠水したのだろう。アスファルト全体、足首辺りまで水嵩が増していた。あと少し進めば靴も靴下も終わるのは必至。
後ろを振り返ると、観戦に向かう同士達も足を取られながら進軍していた。行くしかねえよな。気持ちは一緒。ここを越えれば楽しい興行が待っている。諦めるわけにはいかない。濡れようが埋れようが我々は行く。全てはプロレスでハッピーのために。
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8月4日(日)晴れ
どうかしている。真夏の昼間に屋外でプロレスをする団体。それを見に行くファンたち。Jリーグだって夏は基本ナイトゲーム。しかしそこは不思議の国のアイスリボン。猛暑の8月、大宮球場前にリングを設営して13時から試合をするという。暑すぎて人のいない公園を貫いて、汗を拭いながら集合するリボンマニアたち。そう、豪雨でも猛暑でも我々は選手が行くところに向かうだけ。どこでも「アイスの興行は楽しい」と肌で知っているから。
試合開始。暑さで空間が歪んでいる。選手たちのテンションも若干おかしい。場外乱闘きっかけにアイススプラッシュ(水の掛け合い)がはじまる。夏だからできるシーズンもの。この弾けた感じは現地で味わいたい。気づくと暑さも越えて選手も観客も笑顔になっている。
山と一緒だ。登り続ければ必ず頂上を望める。プロレスも耐え続ければ必ず逆転のターンが来る。事故ろうが、会社がランサム攻撃受けようが、オフサイド取られようが、全身ずぶ濡れになろうが、暑さで溶けようが、みんなそれは逆転のフラグ。戦いで体現する選手たちを見て、我々は笑顔でプロレスでハッピーを実感するのだ。
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