『あのこたちは、どこに』②小説
電話に出たのは、女性だった。
「はい、何でしょうか?」
声を聞くと、40歳か50歳くらいの声だ。
「あのー。私、特産物店で『あなたの趣味の物を売りませんか』という印刷した紙を見て、電話をした者ですが…」
「あっ、そうですか。あの、ちょっとお待ちください」女性は、そう言って、
「ねえ、電話だよ。あれを見て、電話したって」と、遠くにいる誰かに喋っているようだ。
暫くして、
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