#連載
『三都メリー物語』⑪
しゃ光カーテンの隙間から微かに太陽の光りが差し込んでいるのに目が覚めた。起き上がると少し肌寒い。慌ててレイはエアコンの暖房をいれた。
同じベッドで寝息を立てている夫の藤岡准教授を起こさず、静かに部屋を出た。
洗濯機に汚れた洗濯物を入れ、洗剤も入れてスイッチを押す。
温かいコーヒーを入れて飲んだ。
そういえば、レイの上司である34歳の男性の島田さんと、この会社を知り尽くしているようなレイの
『三都メリー物語』⑳
外は、大粒の雪が降っていてイタリア料理店の前を通る道はうっすらと雪で白く道路と歩道の境目が日が沈むと分かりずらかった。
レイは、クリスマス・イブの夜にイタリア料理店で、皿洗いの仕事をしていた。予約がたくさん入っており、眼鏡をかけた神経質そうなシェフの青木は、メインディッシュのフィレ肉を焼いてはフライパンを洗い、またフィレ肉を焼いている。そしてその都度炎が上がる。
パスタの茹で汁を捨てる時