アリシアクリニック倒産から学ぶ簿記
信販会社(クレジットカードなしで分割払いができる)を通して
手数料含め50万程で全顔/全身通い放題の契約をしたアリシアクリニックが倒産しました。
元々脱毛サロンのミュ○プラチナムで働いていた民からすると
脱毛サロンの倒産は相次いでいるが、まさかクリニック(医療脱毛)が倒産するなんて思ってなかった。
こんなことならもっとコンスタントに通っておけばよかったと思いつつ
契約直後に倒産したという方や従業員でいきなりクビにされた方の話を耳にすると、ある程度通えていた私はマシな方なのか。
とはいえ、悔しい気持ちが大きいのでこれはnoteのネタにするしかない。
しかもまさかのタイミングで、日商簿記1級の【貸倒引当金】分野を勉強している。
簿記を勉強したことない人に向けて易しく説明をすると、貸付金や売掛金(お金を貸したり、後日支払いしてもらう取引)に対して倒産などの貸倒(お金が返ってこない可能性)の割合に応じて事前にお金を引き当てておく(困らないように用意しておく)って感じの分野なの。
簿記2級の時点では、複数の貸付金や売掛金に対して、例年の貸倒から予想してこれくらいの割合かな~って貸倒引当金を算出する方法だったんだけど、1級に関しては3種類に分類(リスク大・中・小)した上で、貸倒引当金を算出するのね。
それでまあ、今回のアリシアクリニックに関してはリスク大の“破産更生債権”に当てはまるわけで・・
まだ完全に倒産したとは言い切れないけど、ほぼ100%倒産してるよね。みたいなもんなんですよ。はあ
そもそも脱毛業界は、いわゆる自転車操業みたいなところがありまして
都度払いのサロンやクリニックももちろんあると思うんだけど、今回のアリシアクリニック含め多くのサロンは“前払い”のシステムが多いんですよね。
お店側からしたら“前受金”
要するにサービスを提供する前に受け取っているお金なので、簿記でいうと“負債”に該当するわけです。
仮にお客さんから返金や解約(クーリングオフとか規約内容によるけど)を求められたら、お金を返さなきゃいけないんだよね。
簿記2級で“契約負債”なんて分野を勉強したんだけど、契約負債=前受金
これに当てはめるならば
★お客様が脱毛1回コース契約して現金100円受け取った。
現金100 / 契約負債(前受金)100 (まだ施術を行っていないから負債)
★脱毛1回コースの施術を行った。
契約負債(前受金)100 / 売上高100
つまり契約時では、まだ施術を行っていないから売上に計上しちゃいけない
施術を行ってからようやく売上を計上できる。
私が勤めていたミュ○も以前経営破綻に陥ったんだけど、
そのときから変わったのが脱毛コースだけの契約ではなく、脱毛コース+自社化粧品のセット販売。
脱毛コースだけであれば前途のとおり施術を行っていないから契約時は“負債”として計上されるんだけど
自社化粧品に関しては、契約時に販売で返品ができない。
つまり購入と同時に負債ではなく“売上”が計上されるの。
売り文句としては、
『脱毛と同時にお肌もきれいにしましょう』
『医療脱毛は毛をなくして終わりだけど、ミュ○なら同時にお肌もツルピカになります』
『脱毛後はより毛穴が目立つので、同時にケアしてあげると仕上りも大きく変わりますよ』
こんな具合に何十万の脱毛契約に+して、自社化粧品(こちらも何十万)を販売していたのであった。
簿記を勉強するまではこのカラクリに気づかなかったけど、賢いなぁと思う。
そして今回の倒産から学ぶこととしては、都度払いのクリニックで医療脱毛を行うこと、ですかね・・
まあ倒産なんてそうそうないだろうって思うから、ある程度の回数まとめて契約した方がお得に感じるんだけど
もしそうしたいのならば、系列の会社に変な動きがないかも含め(アリシアクリニックは系列の銀座カラーが前に倒産してる)
事前にしっかりリサーチした上で契約するべきかな。あとはなるべくコンスタントに通う・・
アリシアクリニックは、お金が返ってくる可能性は極めて難しいそうなので期待はしていないですが
以前ミュ○に勤めていた時、他の倒産した脱毛サロンの契約者に対し、ミュ○で施術を引き継いだことがあったので・・
かすかな希望を胸に(?)今後の動向を見守ろうと思います。