半分死んでました

 つい数日前まで、死にたいなとぼんやり思っていました。
 自覚がないので何がどうしてそうなったのか……ふんわりとしか分からないのですが、それだけいつの間にか追い詰められていたようで。

 死にたかったのは先週の月曜日。仕事の面接に行った直後でした。その前からも薄々調子が悪かったと、今思えばそうだった気がします。
 面接の会場はなんだか空気が重たくて、全身がずしっとしました。社員の説明も早口で、個人面談もそれ聞く必要ありますか?みたいなところを聞いてきて。……あくまできっかけとして、それ以上に落ち込むきっかけとして十分だったのかもしれません。
 面接が終わって、建物を出て――死にたくなりました。といっても、自覚するのはもう少し後なのですが。
 疲れてしまったんでしょうね……。疲れていても動いてしまう節があるので……。疲れを自覚できないんです。最近はよくなってきたんですけどね……。

 面接会場があったのは時々行く町でした。でもいつもは用事という用事はなくて、たまにしか行かない。せっかく来たのだしどこか寄っていこうと、行く前も、死にたくなってからもほやほや思っていました。
 でも行きたい場所もない。でも帰る気は起きない(鬱々とすると人間は帰りたくなくなる生き物のようです)。
 とりあえずぷらついて、目についた本屋さんに入りました。店内入ってすぐのところをうろうろして、本を手にとって面白そうだなーと思いつつも戻し戻し……。そして「自己肯定感の教科書」という本を何気なく手に取り……本に書かれた大丈夫だよという優しい言葉に涙が溢れてきました。そうですね、その時点でだいぶキていることが分かりそうなものですが……その時点ではまだ自覚はありません……(苦笑)
 泣けたその本を購入。お金を使ってしまった罪悪感と、罪悪感によって生じた焦りのような感覚。それに苛まれながら、やっぱり帰る気は起きず、カフェへ。

 朝食を食べていなかったのもあったので、なにか食べようとランチセットを注文。パン二つと紅茶をひとつ。
 柱と壁に挟まれた席に座り、細くなった喉に流し込みました。ちゃんと美味しかったです。
 そしてその前日に書いて、今日見直そうと思っていたものを修正。でも当然そんな状態ですからうまく書ける(書けた手応えがある)はずもなく。
 その辺でようやく、死にたいということに気がつきました。今死んでもいいなって。

 その後アニメイトに行って、また今の自分にぶっ刺さりな漫画を見つけ、帰宅して読み、原作を読みたくて買いに出て読む。

 死にたくなったのは、そんな日でした。
 それから数日間も死にたい気持ちが抜けず、風呂上がりに椅子に座って、目の前の食卓に置かれていた詰め替え用洗剤を見つめたものです。
 洗剤を見つめていたら、これまた死にたくなっていた友人から、私の小説を読んで生きようと思ったと連絡があったので…………人生って面白いですね……。

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春野訪花
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