とある夜
体が冷えるなぁ……と思いながら、窓辺でぽやーっとしている。テーブルに鎮座する蝋燭の火が、ほとんど感じ取れないくらいの風に揺れている。
紅茶を久しぶりに淹れた。ルピシアで購入したものが三種類あって、香りを嗅いで、あんまり飲んでないやつにした。珍しい香り、どんな味かしら?と思ったので。飲んだことあるんだけど。
さくらんぼだか、カシスだか……忘れてしまったが果物フレーバーだったはず。どちらかと言えば好み。
空が曇っている。最近は雨続きだし、しばらく月を見ていない気がする。寝込んでいる間は空どころではなかったので、余計に。
月見たいなぁ。
月が好き。というか、天体が好きという話はしたことがあっただろうか。ツイッターを覗いている人ならなんとなくご存知かもしれないが、私は宇宙が好きだ。
太陽だけはどうにも苦手だが、月や星、惑星は大好きである。
小さい頃からそうだった。よく科学館に遊びに行ったのだが、プラネタリウムがあれば必ず見ていた。星の名前を覚えるほどだったが、最近は足が遠のいて、さすがに忘れてしまった。
キャンプで見上げる星も好きで、首が痛くなったりしなければずっと見ていられたような気がする。ような気がするというのは、どこか星を見ることにつまらなさも感じていたからなのだが、それは家族の人たちによる影響がたぶんに含まっている。暗い話になってしまうので、とりあえず割愛。
毎月、毎週でもプラネタリウムに行きたいくらい。星のグッズとかも欲しい。そういえばあまり家にないな。今度買いたい。
今見ている星の光は、何千年も、何万年も前のものなのだと思うと、それはそれはすごいことのように思える。チープな言葉であるが、すごい。どこまでも世界が広く広く、果てしなく続いている。日常生活に浸っていると、どうにも窮屈で狭く感じるが、本当はそんなことないのだと、空が教えてくれる気がする。
――紅茶をごくり。
飲みすぎたりしないように気をつけなくては。
今の体勢を取るために、テーブルを動かしたり、電気を消したり、お湯を用意したりなど、立ったり座ったりを繰り返したのだが、毎回ゆっくり立つということを忘れる。
立ち上がってから、「あっ、勢いよく立ちすぎた」と思う。そして案の定立ちくらみ。何度繰り返すんだ。三回はやったぞ。本日通算すれば十回? 多くないか?
食事の時もそうだ。全て食べ終わってから、早く食べすぎたな……と思う。食べる時は意識改革を進めているので、早く食べてるなと自覚はある。あるのだがやめられない。ゆっくり食べる方法がわからないのだ。
いや、分かる。
分かるぞ。
少量とって、ゆっくり咀嚼して、飲み込んでから次に手を出せば良いのだ。
だが実際に取る行動は、少量よりは多いくらいを掬って口に入れ、飲み込むには少し早いかなってタイミングでそろそろ飲もうかなと思いながら次のを詰め込むのだ。
早い。
早いよ。
わかってるよ。
一体何が原因なのかわからない。
原因がわからなければ直しようもない。
――また紅茶をぐびり。
温い。それがいい。
猫舌だ。
ほっくほくな食べ物をホイホイ口に入れる人の気がしれない。
猫舌だが、あったかい食べ物が好きだ。胃腸が弱いからだろう。猫舌ほど暖かい食べ物が好き説はあるのでなかろうか。
――紅茶。
一区切りがつくたびに飲んでいるな。
ゆっくり飲めていいのではなかろうか。
――紅茶をちびり。
何かたくさん話したいことがある。行く宛のない、宛先不明の、取り止めのないこと。大した内容じゃない上に、数が多い多い。
コミュニケーション不足を痛感する。人と会わなさすぎる。基本的に一人の友人としか会わないし。しかも月に数回程度。通話のみを含めても十回やそこら。
そろそろ、外にも足を踏み入れたい。
コミュニケーション不足が創作にも影響していると思うので。……もちろんそれだけではないが。とはいえ創作が中心すぎて、自分でも笑ってしまう。そんなに?
…………さて、長くなってきたのでそろそろおしまい。
それでは、また。
……と、言ったけど、投稿してから追加したいことを思い出してしまった……。
ので、追記。
今日、夕方に宅配便が届いた。今日というかすでに昨日だが。
初めは、なんだ?と思った。
ここにはよくセールスマンが来るのだが、あまりいい思い出がなく。謎のチャイムには警戒してしまうのだが、覗き穴から窺えば宅配便。
それでもなお心当たりがなく。なんだっけ?と思いながら開ける。そして代引きがいくらでーすと、宅配のお兄さん。
そして思い出す。
昨日の夜、連絡あったやつやん! 前にネットでポチったやつやん!
慌てて用意しておいたお金を取り出して、ぴったりにお支払い。箱を受け取った。
中身はTシャツだ。
どハマりしたドラマの、スタッフTシャツである。
実はポチった後、買ったことを少し後悔した。金銭的にゆとりがなくはないが、そこまで欲しかっただろうか……?みたいな感じで。
だがどうだろう。
箱を開け、包装のビニールを剥ぎ取り、Tシャツを眺めたときにはニッコニコだ。
嬉しかったようで何よりだ。
笑えるなら、買ってよかった。
汚したくないので着られないが、よかった。
嬉しいんだな、自分は。と、他人事のようにではあるが、気づけた出来事だった。
本日の一番のイベントがこれだったので、これを外すわけにはいかない。こんなことが一番なのか……と、己に哀れみを抱きつつ……。
今度こそ。
それでは、また。