球児の涙
2016/7/10 全国高等学校野球選手権
愛知県大会
10の球場で頂点目指す夏の戦いが始まった
何十試合とあるであろう中から
どうしてこの日、この試合を見たのであろう。
小牧市民球場 第2試合 三谷水産×豊橋南
結果的には21対0のワンサイドゲーム
この試合にこんな感動が詰まっていたとは
そこにいた誰よりも私たちは深く体感した。
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試合前のウォーミングアップやシート練習から
ある一人の選手が気になっていた。
特に身体が大きいとか凄い球を投げるとかではない。
ただ、気になっていた。と言うのが正しい。
彼はスタメンではなかった。
3塁側のコーチーングボックスにいた。
それでも、目は離せなかった。
2回途中でピッチャー交代
なんと、彼が出てきた。
アンダースローなんだけど特に何かあるわけではない。
5回途中まで3失点で抑え交代。
その時。。
彼は持っていたボールをじっと見つめていた。
そして、次のピッチャーに渡してファーストへ。
5回裏の攻撃
すでに、21点差がつき10点以上取らないと
コールドで終わってしまう。
アウトが重なりツーアウト
ネクストバッターサークルに彼はいた。
でも、打席に立つ事なく試合は終わった。
次の瞬間。
彼の身体は崩れ落ち動かない
泣いてる。すぐにわかった。
他の選手は整列
でも彼の涙は止まらない。
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彼がなぜあそこまで泣いたのか?
それはわからない。
ただ言えるのは、
〜背番号10の君へ〜
感動をありがとう‼️
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そして、ドラマは次の日まで続いていた。
私は、彼の事を翌朝の新聞で知ることになった。
地元の中日新聞に大きく取り上げられていた。
大会前に実習で2ヶ月間の船上生活をしていた事。
トレーニングも出来ず、本来はエースだったのに
迷惑をかけるからと控えに回った事。
今後彼は船舶の方面に行くのでもう野球から
遠ざかる事
彼の涙のわけが少しだけわかった。
今、彼はどうしているのだろう。
高校野球と聞くと思い出すそんな出来事だった。