嫌いな上司に悩める夜に会いに行きたい女性たち
私は、人の好き嫌いがはっきりと顔に出てしまうタイプの人間だ。
喜怒哀楽、すべてもろわかりらしい。
それが嫌で何度もポーカーフェイスなるものを身に着けようと努力したけれど、そもそも表情を顔に出さないって、私からしたらオリンピックで金メダルとるよりも難しい大きな壁に思えた。
入社してまだ職場のことをよく知らない約1か月目の新卒の後輩にさえ言われたことがある。
「○○さんって、○○先輩のこと(上司)嫌いですよね?顔に出てますよ。」
もうここまでくると白旗である。
そんな私は、自分が嫌いだと思ってしまう先輩や上司に嫌われることが多かった。
あたりまえだ。顔に「嫌い」って書いてあるのだから。
自分のことを嫌いな人間を好きになる人ってドラマの世界以外で見たことがない。もし存在するとするならよほどのもの好きかドMだろうと私は思っている。
そんな私はおそらく一般的にみて、嫌いな上司に悩む夜を迎えることが多い人生を送っているのだと思う。
そういう夜はつらいし苦しい。
なぜなら逃げられないからだ。
布団に入って目を閉じて、また目を開いたら、嫌でも会社で会って、同じ空気を吸わなければならない。
悲しいことに、こういう嫌いな上司に限って、直属だったり、席が近かったり、無駄に会社に長居していたりするのだ。この世の不条理たるやである。
そんな逃げ場のない苦しい夜、いつも思わず会いに行ってしまう女性たちがいる。彼女たちのそばにいると、なんだか明日も頑張れそうな気がして心地よい睡眠に入ることができるので、今日はその女性たちを紹介しようと思う。
「上司 人間関係」
みたいなキーワードでとある女上司と喧嘩し、イライラしながら、ぐるぐるとそんなワードを検索していたとある夜、私がはじめてyoutubeでジェラードンコントを見たときの動画である。
サムネ通り、20連勤して頭がおかしくなって仕事することが止められなくなっている女上司の動画である。
おそらく身に着けているジュエリーのデザインの感じと使用している汗拭きシートの種類から、私と同年代くらいの女性ではないかと察しがつく。(ちなみに私と同じシートだったので親近感が沸いた。)
私も経験したことがあり、もしかすると20代~30代独身女性あるあるかもしれないが、独身であるだけなのに、その他の既婚社員や家族持ちの社員を優先して、残業を引き受けたり、休日出勤を余儀なくされることって、結構あるあるだけれど、意外と知られていないことが多い気がしている。
でもそんな世間で置き去りにされがちな問題を拾い上げて、その女性像をかみちぃさんが熱演してくれている。しかもこの女上司、めちゃくちゃ会社で立場ありそうで、普通に断ることもできる状況なはずなのに、独身私がやらなきゃって責任を一挙に引き受けて、、もうそれだけで絶賛の嵐である。
それに加え、20連勤なんて、脇毛ボーボーで、服を着替える暇も、家に帰る暇もなくて、サトウのごはんをさらの状態で食べちゃうくらい異常事態なのに、休暇を終えて出社した社員を目の前に、ちゃんと「おはよぅぅぅ。」て挨拶しているところが律儀すぎて泣ける。
そして別に休んでいる社員を非難することなく手を動かして、雑談にも付き合ってくれて、話している間にデカい契約3件も取って、その姿がイケメンすぎて、それに比べたら、そういえば今日私が嫌いな女上司と口論したことなんて、なんてちっぽけなんだろうと馬鹿らしく思えてくる。
私ももっと心広く明日出社したら
「おはよぅぅぅ。」って
久しぶりにその嫌いな女上司に挨拶してみようかなとか思えてしまうのだから摩訶不思議だ。
そして次に紹介したいのが、アタック西本さん演じる女社長である。
パッと目を引く
グラサンと金髪ロングの髪の毛
そして女性とは思えない堂々たる胸板の厚さ
どこかの裏社会に通じていそうないかつい見た目とは裏腹に
率いている社員の無能さに驚く。
取引先との打ち合わせに遅刻したり、寝ちゃって資料準備できなかったり、それらをネチネチ批判することなく、しっかりとフォローするところが優しい。
取引先を遅刻で怒らせちゃった無能社員のフォローとして、叙々苑に取引先全員を連れてスーパーパーティーしましょうって、まるで根っからのギャルみたいなかんじで誘うところが本当にかっこいいし優しい。
眠気に負けちゃって、プレゼン資料が間に合わなかった無能社員に、だから言っただろって前々からエナジードリンク差し入れしているところも優しい。
そうやって社員のためにポケットマネーを使うことに躊躇いがない上司とか社長って、昨今めっきり減ってしまったのではないか。
そして、そんな無能社員のフォロー含めめちゃくちゃ忙しいはずなのに、受付のくみちゃんに
「休んで」って内線入れることができる余裕に拍手喝采である。
「働け」って言う上司はたくさんいても
「休め」って言える上司はなかなかに少ない。
この理想の上司像。
嫌いな上司に仕事の責任を理不尽に押し付けられちゃったりした夜に、甘くて美味しいカクテルみたいにその優しさが身に染みてしまってクセになる。
そしていつか自分のポケットマネーで「スーパーパーティ開催だ!」って、会社を率いることを夢に見て、働く気力がわいてきてしまうのだから摩訶不思議である。
そして最後にもう一人紹介したいのが、こちらもまたアタック西本さん演じる受付嬢である。
「受付嬢だからってなめんじゃないよ。」
サムネからも気迫が感じられる、その見た目とパワーに圧倒される。
普通にどこかで働いたことある人ならきっと遭遇したことがある、組織の中での序列差別。
平社員だからとか、派遣だからとか、アルバイトだからとか、別にみんな働いてるのは一緒で、それぞれに一生懸命になっているのに、なんかそういう意味のわからない勝手な序列で苦しんだのに、何も言えずに泣き寝入りしたことって、誰しもがきっと一度はあると思う。
そんな差別が起こりがちな受付嬢という立場で
「なめんじゃねぇ。」
って肩ブンブン振り回しながら、バリバリに受付嬢の範囲外の仕事までこなして、戦って、会社を回している姿に救われるし勇気づけられる。
「人に挨拶、そして動物に挨拶、すべてのものに挨拶、神羅万象、天上天下、唯我独尊、すべてのものに感謝。挨拶を忘れずに。」
って人として守るべきラインみたいなところがしっかりしているところもアツい。
なぜかはよくわからないけれどこの動画をみた翌日とかに
「なめんじゃねぇ。」
って呟きながら、いつも以上に仕事してしまうので摩訶不思議だなと思っている。
ぜひ一度、嫌いな上司に悩める夜に会いに行ってみてほしい。
きっと、彼女たちがそばにいてくれるはずだから。