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【短編小説】へんなともだち

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眠れない夜に想い出したい私が出会ったへんなともだちのへんな話。きっと、クスッと笑ってほっこりする。どこまでが実話なのかは、読んでくれているあなたの想像次第のショートショート。
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2024年10月の記事一覧

【短編小説】へんなともだち ~ピンチのやまざき~

【短編小説】へんなともだち ~ピンチのやまざき~

「もしもし?」

「うわん、出てくれてよかった、、、。ごめん。めっちゃ急に連絡してしまって、、、。私さ、今、家の鍵なくしちゃった、、、。もうどうしたらいいかわからなくて。家に帰れないの。助けて。」

人生ではじめて、私は家の鍵をなくした。会社での華金の飲み会が終わり、時刻は午後23時。どうしようもなくて、涙目になりながら、無意識のうちに私は、やまざきに電話をしていた。

「あら、そうだったんだ。大

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【短編小説】へんなともだち ~喫茶店のよっしーさん〜

【短編小説】へんなともだち ~喫茶店のよっしーさん〜

「15時、輝心館のカフェで待つ。」

昨日、そんなLINEのメッセージを残したよっしーさんに会いに、私は4限目の授業終わりに、輝心館のカフェへと向かった。

輝心館は、私とよっしーさんが通う大学のキャンパス内にあるカフェだ。
中間試験の時期に位置している今日は、いつにもましてカフェ内が混雑している。あちらこちらで、席が空くのを待っている学生や、2人席に他から空いている椅子を持ってきて座っている学生

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【短編小説】へんなともだち ~鉄の女ふみえさん〜

【短編小説】へんなともだち ~鉄の女ふみえさん〜

「鉄の女」

そう言われて私の頭に思い浮かぶのは

かつてのイギリスの政治家「マーガレットサッチャー」
それを映画で演じた「メリルストリープ」

そして
私のともだち、「ふみえさん」である。

彼女に出会ってからというもの、私の鉄の女史は塗り替えられた。
彼女は鉄のようだった。
身も心も鋼のようなともだちだった。

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季節は師走の終わりに近づき、私とふみえさんが働いている会社は繁忙

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