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映画/ドラマ感想文

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#日記

【映画】それはきっと社会のせい『あんのこと/入江悠監督』

【映画】それはきっと社会のせい『あんのこと/入江悠監督』

先日「ナミビアの砂漠」を見てからというもの、河合優美さんの演技に魅了されて、ちょうどアマプラで発見したので、こちらの映画を観てみた。

もちろん、河合さんの演技にまたまた惚れ惚れしてしまって、けれど個人的に、いつもとはちょっと違ったシリアスな佐藤二朗さんの演技を見ることもできてよかった。

1人の少女の壮絶な人生を、実際の新聞記事をもとに描かれた本作。
できれば実話であってほしくないと願いながらも

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【映画】独身女性の永遠の味方『ブリジットジョーンズの日記/シャロン・マグワイア監督』

【映画】独身女性の永遠の味方『ブリジットジョーンズの日記/シャロン・マグワイア監督』

年末になると、なぜかこの映画を観たくなってどうしようもなくなる独身女性は私だけだろうか。

2001年、2004年、2016年に3部作公開された大ヒットコメディ映画で、もちろん全部のシリーズ観ているけれど、いつだって年末にリピートしてしまうのは、2001年に公開された初回verだ。

学生から社会人になって、20代、仕事、キャリア、同棲、結婚、出産、さまざまなライフステージの変化を周りで目の当たり

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【ドラマ】無職中に出会えてよかった『0.5の男/沖田修一監督』

【ドラマ】無職中に出会えてよかった『0.5の男/沖田修一監督』

無職期間中に絶対に観ておきたかったドラマがあって、やっと観ることができた。

控え目に言って、最高過ぎるドラマだった。40歳、無職、引きこもりニートの主人公雅治と自分が重なってしまう部分もたくさんあって、気がついたらいろんなシーンで涙してしまっていた。

物語は、両親とともに暮らしている雅治の実家を、妹である沙織が家族を連れて、2世帯住宅に建てかえるというシーンからはじまる。

引きこもりである雅

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【映画】語り継がれるバットエンド『ウエストサイドストーリー/スティーヴン・スピルバーグ監督』

【映画】語り継がれるバットエンド『ウエストサイドストーリー/スティーヴン・スピルバーグ監督』

めちゃくちゃポップなミュージカル映画が観たくなって、予告編に惹かれてこちらの映画を観てみた。

ザ・ミュージカルで入口からその世界観に魅せられる。1950年代のアメリカを舞台にしているということで、私が大好きで、よく、何度も見返しては一人で音楽に合わせて踊っていた、ミュージカル映画「ヘアスプレー」の舞台ともなんだか雰囲気が重なってワクワクしながら観ていた。

ストーリー的にも重なる部分があって、こ

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【映画】人間に戻るという感覚の大切さ『かもめ食堂/荻上直子監督』

【映画】人間に戻るという感覚の大切さ『かもめ食堂/荻上直子監督』

やっと自分にもこの映画を観るときがきたと思ったとある日の深夜、おもむろにamazonprimeを開いて観てしまった。

「あぁ、やっぱり今だったんだ。」

映画を観終えて、なんとなく、そんなことを感動の涙ながらに思った。

この映画の舞台は、北欧の国フィンランド。上記予告編の最後にも記載があるが、邦画初のオール・フィンランド撮影の映画らしい。そんな異国の地で、主人公さちえさんがヘルシンキで営む小さ

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【映画】自分にとっての中華統一を考えてみる『キングダム/佐藤信介監督』

【映画】自分にとっての中華統一を考えてみる『キングダム/佐藤信介監督』

私もことごとくミーハーだなと思いつつ、映画館へ両親に誘われるがままに観に行ってしまった。

予想通りというか想像通りというか
普通に「王騎将軍かっけぇぇぇぇ!!!!!!!」
てか演じた「大沢たかおまじすげぇ!!!!!!」

的な感じで、またこの映画と、演者のファンになってしまった。

ちなみに、映画館ではないが、第1章も第2章もテレビを録画してがっつり観た。アニメも全部ではないけれど、徐々にAma

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【映画】正直に生きるって難しい『ナミビアの砂漠/山中瑤子監督』

【映画】正直に生きるって難しい『ナミビアの砂漠/山中瑤子監督』

最近いろんな人のSNSで拝見して、観ないわけにはいかないと思っていた話題作「ナミビアの砂漠」を映画館で観てきた。

もちろんきれいに影響されてしまって、映画を観たその日の夜、私は久しぶりにipadでナミブ砂漠の野生動物たちのライブ映像を開いて、それを眺めながら安らかな眠りに落ちた。

映画に登場するカナが、時間があればこのライブ映像を観ていたように、私自身も数年前、友人に紹介されたこの映像を、眠れ

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【映画】私たちはたぶんきっとどこかで誰かとつながっている『街の上で/今泉力哉監督』@古湯映画祭

【映画】私たちはたぶんきっとどこかで誰かとつながっている『街の上で/今泉力哉監督』@古湯映画祭

先日、父親がチケットをもっていたことがきっかけで古湯映画祭に行くことになった。
そして、人生ではじめての映画祭で、はじめて観た映画がこの『街の上で』だった。

前々からこの映画の存在自体は知っていて、でも、観るなら絶対にたった一人で、部屋の灯りを全部消した状態で布団に入って、寝転んだ状態で、スマホの小さな画面で、つらくてどうしようもなくて、全然眠れない夜に、絶対にまた眠れなくなるような状態で観たか

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【映画】久しぶりに恋した相手は草壁タツオ『となりのトトロ/宮崎駿監督』 

【映画】久しぶりに恋した相手は草壁タツオ『となりのトトロ/宮崎駿監督』 

先日、金曜ロードショーで久しぶりに「となりのトトロ」を観た。おそらく最後に観たのは小学生の頃だっただろうか。もう約20年くらい観ていないはずなのに、シーンを見ればところどころで、セリフが次々と頭に思い浮かんでくる。「おじゃまたくし」とか。そういえば、何十回何百回と繰り返し観ていた大好きな映画だったことを懐かしく思い出した。

「ジブリ映画は、大人になってみると、感じ方が変わる。」

何度かその経験

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