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花見レポ 開花懐古 藤井風

初めての一人ぼっちお花見

 こんばんは。今日は足を延ばし、佐保川という桜の名所にソロお花見に行ってまいりました。友達もおらず、花粉症の彼氏を引っ張り出すのも申し訳ないので、イヤホン越しの藤井風をお供に一人で浸ってきました。
 (今回のnoteのBGMは藤井風『旅路』ってことにしてます)

 会社の新人研修初日が終わり、ぐったりとした体をなんとかかんとか突き動かし、学生時代、といっても数週間前ですが、よく通った散歩道に沿って佐保川を目指しテクテク。
 途中のコンビニで白いカスタード入りのたい焼きとビターチョコラテ?を買い、レジ袋をがさがさいわせながら暗い住宅地を進みます。

 心機一転社会人一日目の夜なので、通ったことのない未踏の道を進めばいいのですが、どうしても懐かしくて友人たちと歩いたいつもの道ばかり選んでしまいました。あそこの石段に座って将来のこと考えたなぁ、とかあの電柱の前で写真撮ったなぁ、とか。
 どんどん思い出が溢れだしました。川の周りや自分は変わらないのに、友人たちはそれぞれの場所へ旅立ってしまったので、隣には誰もいません。
 周囲の家族連れやカップルも羨ましかったですが、友人と楽しそうに桜の前で写真を撮る人たちがとても眩しかったです。
 
 人の力の及ばない、自然な美しいものに囲まれた幻想的な空間では、簡単に物語の主人公のような気持になれるので、いろいろ思い出して寂しくなってみたり、不安になってみたり、懐かしくなったりしたので、ちょっと記録させてください。


 

お気に入りスポット

 隣の駅くらいまで、川沿い随所に思い出が点在しているのですが、私はその中でも特に記憶に新しく、それでいて深く刻まれている場所で、たい焼きとチョコラテをいただくことに決めていました。
 それが、川のそばまで下りられる石段の下です。石段が道路から川へ斜めに下りてきていて、下から見上げるとその階段がまるで夜空に向かっているように見えるのです。

 卒業間際、一番の友人が引っ越す直前。二人で思い出を語りながらこの川沿いを歩き、この場所にしばらく腰掛けていました。
 深夜で誰も通らず、川の流れる音だけが聞こえるなか、時々黙ったりしながら四年間を振り返っていると
 なんだか、一瞬で過ぎ去ったあの日々は夢だったんじゃないか?
 なんて中二病チックな、おセンチ思考まで湧いてきたのを覚えています。

上の車道が見えない。どこに繋がってる?上には何がある?


 にしても、この階段と桜は本当に映画のワンシーンに使えそう。いつか映画を撮ってくれって言われたらここは確実に名場面に使いたいです。『君の名は』の最後に瀧君と三葉が再会した階段みたいな。なにかしらの聖地っぽさがあるというか。
 でもせっかくなので私だけのものにしておきたい気もしますね。

 階段正面から。桜のトンネルみたい



 ここに座って、期待と不安が入り混じった気持ちで四月を見つめる私と友人のあの日の背中が見えた気がしました。
 今年の桜はいつもより寂しい気持ちで楽しみましたが、そんなに悪くない心地でした。
 桜は変わらないけど、私も少しずつ変わっているのかもしれないです。

 最後に私の好きな風くんの歌詞を添えて今日はお開きで。ありがとうございました🥐

僕らはまだ先の長い旅の中で
誰かを愛したり忘れたり
色々あるけど
いつの間にかこの日さえも懐かしんで
全てを笑うだろう
全てを愛すだろう
 藤井風 『旅路』 より

 
 
 




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