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12月10日のサイレントストライキ、ヤンゴンは沈黙の街になった

朝から静かだった。いつもなら花売り、煮豆売り、パラタ売りと、物売りの声が途切れないのに今日は違った。

数日前からサイレントストライキの話がFacebookに出ていた。その沈黙のストの日が世界人権デーでもある今日12月10日だった。ストライキの時間は朝10時から午後4時までだ。時計を見るとストライキ前の9時だったが、近くのゼー(市場)に行ってみた。開いていたのは3店だけで客はほとんどいない。

ゼーから出ても、とても静かで人はほとんど歩いていない。住宅地なのに住人が全ていなくなったかと錯覚してしまいそうだ。カラスの声とハトの羽ばたきの音だけが続いていた。

昼になり、スーレーパゴダに行ってみることにした。

商店はほとんどが閉まり、人も車もとても少なかった。コロナでロックダウンになった去年の4月を思い出した。灼熱の4月に死んだように静かだったヤンゴンは不気味だった。今は12月、最も過ごしやすく人も車も混雑するこの時期にまたもや死んだように静かなヤンゴンが戻ってきた。

近くのスーパーに寄ってみた。外から見える店内は薄暗かったが、入口が小さく開いていた。警備員に確認すると、店は営業していると言う。中に入ると、照明が暗く落とされた店内には客は全くいなかったが、女性従業員が何人かいた。聞くと、今日は全然客が来ないので、店内の掃除をするぐらいしか仕事がないという。軍が無理やり店を開けさせたのかと尋ねると、自分たちは何もわからないと答えた。知っていたとしても、誰かわからない私には正直には言わないだろう。

店を出ると、入口にさっきの警備員がいたのでまた声をかけた。
「客が全然いないね」
「客が来なくても店を開けろと軍が言ってきたんだ」
「そうなんだ。もし開けなかったら軍からやられてしまう?」
「おーおー、そうだ」
彼とは2回目の会話だったので、ついつい私に気を許してしまったのかもしれない。

小さな商店だとあまりに数が多いので、軍も全てに圧力かけるわけにはいかない。なので、ほとんどの小規模な店は閉まっていた。しかし、ある程度大きなスーパーやショッピングモールには軍が圧力をかけたようだ。

12月10日、多くの国民はサイレントストライキの呼びかけに応じ、ヤンゴンはたちまち沈黙の街となった。それは、ミャンマー国民の意思を示していた。

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