パンを配る、それも豪快に
街中を歩いているとたまに不思議な光景に遭遇することがある。
何気ない光景だがよく見るとおかしいそんな情景。
最近数年前に駅前の広場で見た光景をふと思い出したので、
思い出しがてら書いていく。
確か春先の天気の良い日だったと思う。
その時は休みで出かける用事があり駅へと向かい歩いていた。
駅前には噴水のある広場があり、そこに喫煙場も設けられていたので、
電車に乗る前に一服しようと広場に立ち寄ろうとしていた。
広場の周りにはいつも通りというか鳩が大量に集まっていた。
まあよくある光景だ。少しいつもより多いか、なんてたいして気にも留めず、
喫煙場に向かった。
タバコを吸って一息つき、さて駅に向かうかと思った時、
改めて集まった鳩が目に留まる。
数箇所に固まって集まっていた鳩が、一斉に飛び去っては集まりを繰り返していた。
なんだろうと思い少し近づくと道端に落ちているものに気がついた。
パンが落ちていた。
それも何枚も、何枚も。
なんで道端にパンが?
疑問に思い辺りを見渡すとすぐに答えが見つかった。
すぐ近くのベンチに座ったおばあちゃんだった。
おばあちゃんがフリスビーを投げるように、
千切るでもなく食パンを投げていたのだ。
その勢いに驚き飛び去っては舞い戻り、その食パンを鳩たちはつついていたのだった。
変な光景にあっけに取られていたが、
答えが出て納得できた私は用事のことを思い出し駅へと向かった。
禁止されている場所で鳩の餌やりはやめましょう
超謝謝