呪いのビデオ
呪いのビデオ📼
そのビデオを見た者は1週間後に死ぬという
1998年公開の映画「リング」
TVでも放映され、まだまだ話題を呼んでいた当時。とある田舎町でも恐ろしい出来事が発生していました。
~呪いのビデオ、母の場合~
これは私の母が体験した実話です。
・・・・・
いつもと変わりのない、ある月曜の朝。
昨日まで孫たちが遊びに来ていました。
週末を利用し次女が子供を連れて帰省していたのです。車で2時間ほどの所へ嫁いでいる次女は二児の母親になっていました。
上の子は当時3歳ほどで、下は1歳の頃。どちらも可愛い盛り。
子供好きの私の母は孫たちに会える事を楽しみのひとつにしていました。
「もっと一緒に遊びたかったんだけどねぇ」
しかし次女も仕事があるため、そうそう長居もしていられません。そうゆう母も職業婦人です。
今日も仕事のため、いつものように車に乗り込む母。ふと、後部座席に目をやると見慣れない物体が・・・。
「はて?なんでこんな所にビデオテープが…??」
と思ったと同時に映画の「リング」を思い出したのです。
「も、もしや、呪いのビデオでは?!」
心当たりのないビデオテープの出現に、恐怖を覚える母。観たらきっと1週間後に死ぬ。死ぬのは嫌だ。かと言って安易に捨ててしまうのも呪われてしまいそうで怖い。
恐ろしいながらもそのまましばらく放置していました。その間、友人や知人に声をかけてみるも皆、首を横に振るばかり。そうして持ち主(落とし主)不明のまま、時間だけが過ぎていきます。
気味の悪いビデオテープも幾日間か手元にあると不思議と恐怖感も徐々に薄らいで来るもので「一体、何が録画されているんだろう?」と、恐怖心はやがて好奇心へと移行していきます。
しかしそこは映画「リング」が流行っていた当時。なかなか再生には踏み切れません。
「一週間後に死んでも困るしねぇ」
そんなある日。
次女から電話がかかってきました。先日の御礼と、たわいもない会話。そこで母はビデオテープの事を話してみる事にしました。
「あんた達が帰った翌日にな、車の中からビデオテープが出てきて。観ようかどうしようか悩んでるところなんだけど…。リングのこともあるからねぇ…どう思う?」
「・・・・・」
しばし固まる次女。しかしすぐに意外なことを口にし始めたのです。
「えー?!ビデオ、そっちにあったー???」
「・・・・・」
今度は母が固まった。
「あれね、ダンナのエロビデオなのよ。子供が勝手に持ち出しちゃったみたいで。ほら、そのへんに無造作に置いておくから、ポケモンかなんかのビデオと間違えたみたいで。あの日からビデオが無い無いってダンナが騒いでたのよ~」
・・・え?
確かにあの日、母は子供たちを乗せて自分の車で近所のスーパーやカフェに行ってました。なるほどその時におもちゃの類いをいくつか手にしてたっけな、あの子たち。
瞬時に回想しながらも母、何て言ったと思います?
「え~!!!そうなーん???だったら、だったらさ、死んでもいいから…死んでもいいから、さっさと観てしまえば良かったー!!あー!!損した気分よ!!この数日間!!なんか・・・悔しい~」
呪いのエロビデオ📼
その週末、ビデオは無事に返却されたようですが…母がそのビデオを観たかどうかは定かではありません。