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関西おすすめ植物園カタログ その①

樹木や植物の勉強をする最もよい方法は、「植物園に行く」ことだと思います。
植物園の最大の強みは、世界中の植物を、短時間で見て回ることができる、という点。
園内を数時間かけて一回りするだけで、地球上のほとんどの植生を体感し、数千キロの大移動をしているのと同じ経験を得ることができます。そう考えると、植物園は、ドラえもんのひみつ道具よりもワクワクするスポットだと思えてきませんか?

さらに、植物園には、普通に山を歩くだけでは出会うことができない、個性的な植物が植えられています。幹が赤いヤシの木もあれば、幹が異常に太った樹木もある。植物園でそういった個性派の樹種に出会うたびに、世界にはまだ見ぬ面白い植物種がたくさんあるんだなあ、ということを実感できます。植物の世界が、どれほど広くて、どれほど奥深いか、を知れるのです。
また、植物園に行くと、植栽されている植物種に関する様々な興味深い知識を得ることができます。たとえば、神戸市の森林植物園には、ニオイヒバという針葉樹が植えられている区画があるのですが、そこの看板には、15世紀にアメリカに渡ったフランス人探検隊がニオイヒバの葉で壊血症を治したときのエピソードが書かれていました。こういった面白いトピックを知る楽しさが、樹木の世界を探検するときの、強力なエンジンとなります。

同定のスキルを上げたい人にも、植物園はおすすめです。植物園では、植栽されている主要な種のほとんどに、その植物種の名前が書かれた標札が掲げられています。その標札と実物を対応させていくことで、植物の主な特徴を自然と理解できるようになるでしょう。

ともかく、植物を愛するものにとって、植物園はまさしくメッカ。”聖地”です。
日本各地に、充実した植物園が存在するので、ぜひとも訪ねてほしい!そう思ってこの記事を書きました。今回は、ぼくが住んでいる関西圏の植物園を中心に紹介していきたいと思います。

1 大阪市立大学理学部附属植物園(大阪府交野市)

所在地  大阪府交野市私市2000
開園時間 9:30〜16:30(入園は16 
      時まで)
開園時期 年中
定休日  毎週月曜日(祝日の場合は営業)、    
    年末年始(12月28日〜1月4日)
入園料    大人350円 中学生以下無料
年間パスポート あり 1000円
収集植物数 6000種
アクセス  ・京阪交野線私市駅から徒歩6分
      ・JR学研都市線河内磐船駅から徒     
       歩20分
      ・駐車場(普通乗用車1日500
       円あり

生駒山地の北端の起伏の多い土地につくられた、広大な植物園です。「樹木」をメインに植栽しているのが特徴で、針葉樹コーナーのメタセコイア、センペルセコイア、メキシコラクウショウなどは、大きく育っていて見応えありです。また、チャンチンモドキ、ヘラノキなど、他の植物園では見られないような希少樹種も植栽されており、絶滅危惧種に興味がある人にもおすすめ。

歴史ある植物園のためか、植栽されている樹木はどれもかなりの樹齢に達しており、原産地に自生している姿に近い状態になっているのがこの植物園の最大の魅力。たとえば、中国原産の針葉樹「スイショウ」は、日本ではややマイナーな樹種で、めったに見かけないのですが、ここ市大附属植物園では、本種の大木になった姿をおがむことができます。初めて見たとき、「スイショウの大木ってこんなにかっこよかったのか」と思わず感動してしまいました。

また、熱帯産植物の展示も充実しています。毎年夏頃には、温室内の植物が屋外の露地に植えられ、入園者はそれを自由に見ることができます。
ぼくが行ったときには、それぞれの植物の横に詳しい解説が書かれた看板が立てられていて、面白い知識を沢山吸収できました。

植物園自体は、山の中にあるので、自然の状態の森林をそのまま残したエリアも存在します。
そういったエリアでも、樹種名の標札がしっかりと整備されているので、外国産樹種だけでなく、日本の野山の樹木について勉強したい方にも、うってつけの植物園であると言えます。



↑メタセコイア並木



↑メキシコラクウショウの大木。


↑センペルセコイアの大木。センペルセコイア自体はあまり珍しい樹種ではなく、まちなかの公園でもよく見られるのだが、市大附属植物園の個体は長い年月のあいだ育てられているのか、かなりの樹高に育っている。普通の公園で植えられているような個体よりも一回りサイズがでかい。
センペルセコイア特有の、スラッとした樹形の美しさは、これぐらいのサイズの樹を見ないと味わえない。


↑スイショウの大木。スイショウは原産地・中国では湿地に生える樹らしく、本植物園でも池の中に植えられていた。こうした、野生の状態に近い展示が素晴らしいと思う。


↑オーストラリア原産のマキ科の針葉樹、イラワラプラム。実はアボリジニが食用にしていたらしい。


↑南西諸島に分布するブナ科の広葉樹、オキナワウラジロガシ。4センチの大きさにもなるどんぐりは、日本一大きいどんぐりとして有名。


↑バラエティ番組でも取り上げられたアマゾン原産の水生植物、オオニバス。夜に花が咲く植物なので、開花した際には夜間に特別に植物園が開放される。






↑リュウゼツラン科、ヤシ科の植物も多く植栽されている。上からアガベ、ブラジルヤシ、サバルヤシ、チャボトウジュロ。


↑九州地方に僅かな本数が分布する希少な樹種・チャンチンモドキの大木も見られた。
※写真は、2019年9月に訪れた際に撮ったものです。

2 咲くやこの花館(大阪市)

所在地 大阪府大阪市鶴見区緑地公園2−16
    3
開園時間  10:00〜17:00
                 (最終 入園16:30)
                     
開園時期  年中
定休日  毎週月曜日(祝日の場合は営業)、 
            年末年始(12月28日〜1月4日)
入園料  大人500円 中学生以下無料
年間パスポート あり 2500円
収集植物数 5500種
アクセス  ・地下鉄鶴見緑地駅から徒歩10    
       分
                    ・専用の駐車場はないので、車           
        の場合は鶴見緑地の駐車場に 
        とめる

1990年に大阪で「国際花と緑の博覧会」が開催された際に建設された、国内最大級の温室です。熱帯植物を見るなら絶対にここがおすすめ。
大きな温室は、熱帯雨林植物室、熱帯花木室、乾燥地植物室などといった感じで、気候帯ごとにいくつかのゾーンに分けられています。
それぞれのゾーンで、自生地の環境が見事に再現された中で育つ珍しい植物たちを観察することができます。

熱帯雨林植物室には、その名の通り熱帯雨林に自生する植物が多数植栽されています。
ぼくはヤシが大好きなので、個人的にはここのハイライトはヤシ類の植栽だと思っています。ここでしか見られないような、レアなヤシがわんさかあるので、入った瞬間から興奮状態になってしまう。
ヤシの他にも、ベンジャミンゴムの成木、ラフレシア、各種のラン、タコノキなど、熱帯植物マニアがよだれを垂らす植物たちを観察できます。

乾燥地植物室は、その名の通り砂漠地帯に分布する植物がメイン。アロエディコトマ、バオバブなど、植物図鑑やBBCアースの映像の中でしか見たことがないようなあこがれの植物たちを実際に見ることができます。屋外にはアガベ・サボテン類が多く植栽された区画があるので、多肉ファンはそちらへどうぞ。

乾燥地植物室の先に進むと、「高山植物室」に入ります。こちらの部屋も、高山帯の環境が見事に再現されていて、理想的な環境の中世界中の高山植物たちが花を咲かせています。ぼくは高山植物についての知識はほぼゼロなのですが、わかりやすい解説板が設置されていたので、十分楽しめました。

花の展示に特化した植物園は、樹木の展示が少なめになる傾向があり、そういった植物園に行くと樹木好きが物足りなさを感じていまう、というのはよくあることなのですが、この咲くやこの花館の場合、樹木の展示と花の展示の両方が充実しています。花好きと樹木好きが共存できる、数少ないスポットです。



↑熱帯植物室のヤシたち。こういうのを見ると、まじでテンションが上がる。


↑咲くやこの花館以外では見たことがないレアなヤシ、ベッカリオフェニックス・マダガスカリエンシス。
ガシュっと伸びた葉っぱがかっこいい。名前がいかついところも好き。


↑幹が赤いヒメショウジョウヤシ。東南アジア原産で、熱帯ではよく庭木として用いられる。


↑シマタコノキ。こんなに見事に育った個体を冬が寒い大阪で見られるなんて、感激。


↑あまり目立っていなかったが、針葉樹ファンとして、屋外でひっそりと植えられていたナンヨウスギもしっかりチェックしなければ。





↑子供向け植物図鑑の、「世界の不思議な植物」のコーナーに載ってそうな植物たちにも合うことができる。うえから、タビビトノキ、バオバブ、アロエ・ディコトマ、奇想天外。


↑高山植物コーナーのハイライト、「ヒマラヤの青いケシ」。正式名称はメコノプシス。標高3500メートル以上の地域にしか分布しないらしい。咲くやこの花館では開花調整が行われており、1年中花を楽しむ事ができる。


↑人の手に触れられるだけで枯れる、というデリケートさで知られるハワイの高山植物、ギンケンソウ。


↑実は超個人的には、このホクシトウヒが高山植物コーナーのハイライトだと思っている。(別に青いケシが嫌いなわけじゃないよ!)
中国雲南省に生育するマツ科トウヒ属の樹種。
高山植物コーナーの真ん中に植えられていたが、見た目が地味なためかほとんど目立っていなかった。名札さえも設置されていなかったが、今までに見たことがないような葉っぱの青さがなんとも言えない美しさだったので、針葉樹ファンの血がうずき、樹種名を知りたくなってしまった。
そんで近くに転がっていた標札タグに書かれた学名を頼りに樹木図鑑サーフィンをして、なんとか「ホクシトウヒ」の和名を突き止めた。
このホクシトウヒは日本国内では激レアな針葉樹で、おそらく咲くやこの花館以外では見られないのでは。
こんな感じで、目立たない植栽に注目すると、思いがけなく珍しい植物にであうことがある。これも、植物園通いをやめられない理由の一つ。


↑南極のコケも展示されている。
展示板によると、南極では、南緯89度まで地衣類が生育しているらしい。こういう、ロマンあふれる展示も好き。

<おまけ 鶴見緑地>
・咲くやこの花館が入っている鶴見緑地は、国際花と緑の博覧会の会場だったためか、他では見られないような珍しい樹種が植栽されています。
広大な公園なので、全部回りきるのはけっこう大変ですが、その一部をご紹介。


↑オーストラリア原産の植物を集めたコーナーに植わっていた、ススキノキ。



↑同じくオーストラリア原産植物の区画に植えられた、アオギリ科ブラキキトン属の一種と思われる樹木。詳しい名前はわからない‥‥ごめんなさい。


↑鶴見緑地の北側斜面には、レッドオークという、北アメリカ原産のどんぐりの木がたくさん植栽されていた。「外国産のどんぐりが拾える数少ないスポット」としてどんぐりファンの中では有名で、中学2年生のときに実際に訪ねて60個ほどのどんぐりを拾い、発芽させた思い出がある。写真は、そのときに拾ったどんぐりたち。ただ、5年前に訪ねた時点で、植栽されていたレッドオークの約半数が伐採されており、(おそらくナラ枯れの影響)現在もレッドオークたちが鶴見緑地に現存しているかどうかは不明。

※レッドオークのどんぐりの写真以外は、2019年9月に訪れた際に撮影したものです。

3 西宮市北山緑化植物園(兵庫県西宮市)

所在地 兵庫県西宮市北山町1−1
設立  1982年
開園時間 24時間
開園時期 年中
定休日  なし
入園料  無料
収集植物数 不明
敷地面積  9ヘクタール
アクセス  ・阪急夙川駅から阪急バス「西宮 
       甲山高校行き」「甲山墓園前行
       き」約15分
      ・阪神西宮駅から阪神バス「鷲林
       寺循環線甲山森林公園行き西廻
       り」25分
      ・駐車場あり(有料) 入庫は8
       時〜18時まで 

西宮市街の北側、六甲山地の斜面の中腹にある植物園。入園料は無料ですが、敷地は結構広く、規模の面で物足りなさを感じることはありません。
植栽されているのは、おもに園芸植物。バラ、アジサイ、ハーブなどなど、ガーデニング愛好家の間で支持を集めている植物たちが多数植栽されています。
樹木だと、コニファー類、ムラサキシキブ・ニシキギ・ハマヒサカキの斑入り品種などの低木類、シダレカツラなどが植わっていました。造園で用いられる樹種や、園芸品種が中心です。山野に生える野生の高木はあまり植えられていません。
スギの園芸品種「グロボーサ・ナナ」、ヒノキの園芸品種「ナナルテア」など、普通に山で見かける樹種たちの園芸品種を観察することができる、というのがこの植物園の一番の魅力だと思います。原種を知った上で園芸品種を観察すると、違いがよく分かって非常に面白い。

敷地の一角には、小さな温室があります。最初は「この大きさだったら珍しい植物はないだろうな」っと思ってあまり期待していなかったのですが、入ってみるとびっくり。おばけみたいにでっかいストレチアとダチュラが鎮座していました。普通の観葉植物も、徹底して育てるとここまで大きくなるのか、と思うと感動。

植物園は山の中に造成されているため、敷地内にハイキングコースが張り巡らされています。中には岩場をよじ登るようなルートもあり、手軽にスリルのある登山を楽しめます。高台から阪神平野を見下ろせるので、景色も満点。
ハイキングコース脇の森林は、典型的な二次林で、岩場ではアカマツが、それ以外の場所ではコナラが牛耳っていました。

園芸や造園に用いられる樹木・草花を観察するなら、ここが一番です。ただ、ブナ、カシ類、カエデ類など、野生の高木は植えられていないため、「日本の天然林に生える樹種を観察したい」「高木が好き」という方にはおすすめできません。入園無料なので、散歩にぴったり。




↑スギ”グロボーサ・ナナ”(上)と、ヒノキ”ナナ・ルテア”(下)。スギもヒノキも、どちらもすらっとした幹で天高く伸びる、成長の速い樹種ですが、これらの園芸品種の性質は原種と全く逆で、成長が遅く、矮性です。ナナルテアは天然パーマをかけたようなモジャモジャした黄金葉が可愛くて、ぼくは大好きなのですが、お世話になっている植木屋さんによると近年は人気がなく、生産本数も下がっているんだとか。


↑温室には型破りのサイズのストレチアがいらっしゃった。ストレチア自体は、ごくごくありふれた観葉植物で、ぼくも一時期育てていたが数年前、金欠になったときにメルカリで売っぱらってしまった。あのとき売ってなかったらこんな大きさに育ってたかもしれないのか…‥そしたら本棚で埃をかぶっていたブラックジャックの漫画全巻を売りに出したほうが良かったな…‥と思わず後悔してしまうレベルで感動。
ぼくの庭で一時期育っていたストレチアよ、元気でやってるかい。いつかこれぐらいの大きさになって、家主に迷惑をかけまくってくれ。君の健康を祈っているぞ。


↑ストレチアとおんなじ温室に植わっていたダチュラ。今までダチュラは自分の身長よりも低い株しか見たことがなかったので、てっきり低木なのだと思っていた。まさか花を見上げる日が来るとは。


↑カツラの園芸品種、シダレカツラ。これも割とレア。


↑園内のハイキングコースの高台からの眺め。大阪方面を一望。
※写真は、2019年10月に訪れた際に撮ったものです

4   京都市洛西竹林公園(京都市)

所在地 京都府京都市大枝北福西町2丁目30
    0-3
設立  1981年6月
開園時間 9:00〜17:00(最終入園1
     6:00)
開園時期 年中
定休日  毎週水曜日、年末年始(12月29
     日〜1月3日)
入園料  無料
収集植物数 110種
敷地面積  50000平方メートル
アクセス  ・阪急桂駅から市バス「西3、西
       8系統」に乗り、「南福西町
      (竹林公園前)」下車、徒歩約5
       分
      ・駐車場あり

京都市西部の丘陵地帯に造成された、竹専門の植物園。
小規模ながら、竹に特化した展示と植栽はかなりマニアックで、興味深いです。
回遊式庭園風の設計になっており、順路を一周りすれば園内の見どころをさっと見ることができます。

ある程度温暖な地域であれば、竹林はさほど珍しいものではありません。しかし、そこに生えている竹はだいたいマダケかモウソウチク。「珍しい竹」を普通の山野で見るのは、相当難易度が高いです。

この竹林公園には、100種を超える竹が植栽されており、その中には亀甲竹、金明孟宗など、奇抜な見た目をしているやつらがいらっしゃいます。レアな竹を簡単に見られる、というのがこの植物園の一番の魅力です。
園内を歩き回り、数多くの個性的な竹に出会うと、竹の世界の奥深さに気づけます。ぼくはここを訪れた後、竹への興味が飛躍的にアップしました。
園内の竹林はしっかりと管理されているため、竹林の美しさを存分に味わうことができます。放置竹林の不気味な感じは一切ありません。
小道を歩いているときに風が吹くと、竹林特有のカサカサカサ…‥という音がなります。あの音がめっちゃいいんだよね…‥

園の入り口には「竹の資料館」という平屋建ての建物があります。その資料館では、竹に関するありとあらゆる情報が取り扱われており、これがすごく面白い。京都の工芸品「京銘竹」を並べたブース、数十年〜百年に一度しか咲かない竹の花の標本など、ぜひ一度見ておきたい展示がいっぱいです。この面白さで、入園は無料。めっちゃコスパの良い植物園です。



↑キンメモウソウ(金明孟宗)。福岡県で発見されたモウソウチクの変種で、幹が金ピカ。


↑ 斑が入るタイプの金明孟宗。


↑ボコボコと茎が膨らむタイプの亀甲竹。


↑人工的に作られた竹林の中を小道が通る。


↑竹は、通常は地下茎で個体数を増やしていきますが、数十年〜百年に一度だけ、一斉に花を咲かせ、種子をつくり、その後一斉に枯れてしまいます。この性質を一回繁殖性と呼ぶそうです。竹がどうしてこのような繁殖方法をとっているのかについてはまだ謎が多く、現在も研究が進められています。しかし、我々は火の鳥ではなく人間なので、せいぜい100年ぐらいしか生きることができません。竹の開花のスパンが1人の研究者の寿命ではとても足りないぐらい長いため、竹の開花の謎を解き明かすためには、過去の記録・伝承に頼るしかありません。
この竹林公園に植えられているモウソウチクは1969年に開花したらしく、その石碑が置かれています。モウソウチクの開花周期は60年〜120年。2030年〜2090年ごろに行われる竹の研究で、この石碑が役にたつのです。バック・トゥ・ザ・フューチャーみたいなロマンがある。


↑50年〜60年前に開花した竹の花の標本が保管されている。同じ時期に同じ親株から発芽した個体は、同じ時期に開花するらしい。
たとえば、20世紀のはじめに結実した種子から育てたモウソウチクの苗木数本を全国に移植したところ、発芽から67年後にすべての個体が一斉に開花した、という記録が残っている。こうした不思議な現象のメカニズムはまだわかっていない。


↑ホルマリン漬けの動物の内臓みたいでちょっと不気味だが、こちらは竹の種。インドで採取されたものである、とのこと。


↑洛西竹林公園が位置する京都市西部の丘陵地帯は、1970年代に宅地開発が行われる前まで、竹林に覆われていたらしく、たけのこの産地として有名だった。竹林公園の周辺には美しい竹林が残されており、たけのこの収穫も行われている。写真は竹林公園に隣接する「竹の小径」とよばれる観光名所。有名な嵐山の竹林よりも空いている。

※写真は、2020年3月に訪れた際に撮ったものです。

その②へ続く

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