子どもの盗み行為ー①万引きについて
このテーマは絶対に書かねばと思っていたテーマであります。なぜかというと、どこかに現在進行形でこの問題行動に苦しんでいる親子がいるんじゃないかと思うからです。
ですが、思い出したくないことでもあるし、いろんなケースがあるので慎重に書かねばならないと誤解を招くこともあるだろうと思い、なかなか書き進められませんでした。
盗む、という行為には万引きだけではなく、親の財布から金を取る、友だちのものを持ち帰ってしまう、などがあります。
その行為をしてしまう理由でよく言われるのが、親の愛情不足とか寂しさという説。しかし私は必ずしもそうではなく、発達障害の特性が関わってくるケース(衝動性由来)、ストレスからの逃避、なんとも理由が分からないケースもあると思います。専門家ではないので、あくまでも私の経験上、です。
実は盗み行為については娘だけでなく私自身や身内でも経験があります。
どうしてやったのか?どう対応すべきなのか?そして、今はどうなった?ということを何回かに分けて書いてみたいと思います。
1、長女の場合-最初の万引き
ADHD&ASDの長女の万引きが一番最初に発覚したのは、まだ小学一年生の時のこと。学校帰りのコンビニでした。
地元ではない小学校へ電車通学していた娘。地元の幼稚園でのんびりとしていたところからの環境の急変に、すごくストレスを感じていた時期でした。この頃から未就学児時代から激変し、癇癪に悩んでいました。でも、当時の私は彼女のストレスを考えてあげていなかった。
「子どもの順応力は高いから大丈夫」という思い込みで、「頑張ろう頑張ろう」と言っていた気がします。私自身も下の子の育児や仕事もあり、余裕のない時期でした。
ある日、帰宅すると見慣れない菓子が制服から出てきました。
親の勘って当たるものです。Suicaで買ったのかとは思わず、なぜかこれはもしかして…??と嫌な予感。もちろん娘はすぐには認めませんでしたが、問い詰めた結果、下校途中のコンビニで盗ってしまったことを認めました。そしてそこからはいつもの大癇癪。ごめんなさい、なんて言いません。大暴れです。
私はショックなんてもんじゃありませんでした。つい最近まで幼稚園児で、どこに行くにも一緒だったあの子が万引きなんて!!と。叱るというより、私もパニックになり泣き叫びました。
うやむやにしてはいけない。娘と一緒にコンビニへ行き、私が頭を下げました。人に頭を下げたところや親の泣く顔を見ればもうしないだろうと思った。
けれど甘かった。その後、再び発覚。二回目の方がショックでした。こんなことと縁が無かった幼稚園時代に戻りたい、なんでなんで??でした。さらに二回目、ということで「このまま癖になるのではないか」という恐怖にも襲われました。
2、どうして万引きするのか?(今回のケース)
今、当時を振り返り分析すると。
慣れない電車通学、慣れない学校、さらに慣れない学童への道のり。早生まれの娘には到底背負いきれないストレスがかかっていました。
何度も書いていますがつい最近までどこに行くにもお母さんと一緒だった幼稚園生。そこからの急激な変化に対して私は「子どもは順応力があるから慣れるはず」という考えで娘に接していました。
違った。子どもは繊細だし、順応力だけじゃなくいろんなことに個人差がある。その後仕事でたくさんのお子さんを見るようになるのですが、本当に個人差が大きいです。でも当時の私は根拠なく「私の子どもは大丈夫」と思っていました。私自身がネグレクト気味で育ってきたので、子どもにたくさん手を掛けてあげるという発想がなかったし、手をかけすぎるのはよくないとさえ思っていた気がします。先日読んだ記事に「人は結局自分が育てられたように子を育てる」と書いてあり、なるほどと思いました。
ストレスと、ADHDからくる衝動性、この二つがこの時の万引きの大きな原因だったと思います。(もっともこの時点では未診断。)
親が泣いても、頭を下げている姿を見せても、抑止力にはならなかったわけです。だって上回るストレスがあって、それが原因の衝動性は自己制御できない状態だったのだから。
だからまずはストレスを解決しないと一回では万引きは止まらなかった。具体的には、娘にとって一人での登下校がしんどいなら付き添ってあげるべきだった、と今なら思います。付き添っていれば、万引きの機会も無いわけで、そもそもきっかけから遠ざけるのも大事だったのではないかと。でも仕事をしていたので現実的には無理でしたが。
娘が「もういいよ」って言うまで付き添ってあげればよかったと今でも後悔しています。じゃあ仕事は?となると、そもそも無理のある電車通学をさせたことから後悔が始まりますが…
原因や対処について、これらはあくまでも私の勝手な分析です。正しいから分かりません。あと当時パニックになっていた私は、「癖になったらどうしよう」とか「なんでこんなことするのよ!」という思いばかりで、娘の内面とちゃんと向き合っていなかった。あとから冷静に振り返り、わかったことです。
3、児相にSOS
さすがに二回ともなると自分一人では抱えきれず、そして自信も失い、自ら児童相談所に連絡。この時すでに娘の激しい癇癪に苦しんでいて、何かがおかしいと思っていたという理由もあり、SOSを児相に求めました。
児相と繋がり、その後児童精神科とも繋がり、そして娘の発達障害の診断に繋がっていきました。
これが小学一年生のときの万引き事件です。その後、ストレス源の一つであった学童を辞めたり、ファミサポを利用したり、とできる限りの対策を講じました。
が、それから3年くらいたった時、再び娘は万引きをし、今度は警察に捕まりました。
続きはまた。