発達障害児の育児は「〇〇した方がいい」より「〇〇は絶対ダメ!」の方が役に立つ。
夏休み。暑さと子どもたちの宿題サポートと三食作らなければならない生活にすっかり干からびています。
今年の夏休みは私は仕事をしていないので、一日中子どもと一緒です。思ったよりこれがメンタルにきております。そろそろホテルに逃亡したい。
さて、発達障害児の育児をしていく上で私はたっくさんの書籍に目を通しました。長女が未診断の時には、ふつうの育児ハウツー本を読んでいたし、診断がついたあとは発達障害児育児の本を読みました。
とりあえず、一般向け育児ハウツー本。あれはもう一冊も我が家に残ってないです。全部古本屋に売りました。役に立たない。あの通りにしようとしても無理。佐藤ママの本を読んでも子どもは東大には行きません。
発達障害児育児の本はそれなりに役に立ったものもあります。講演会にも行ったし、やっぱり知識は必要です。
一番役に立ったのはこれ。
ペアトレの知識のインストール本です。この方法、知識を引き出しとして持っているのとそうでないのとでは大きく違うと思います。
でもね、前も書いたけれど、癇癪を一発で収める処方箋なんかありませんでした。スキルを持っていても、我が子にそれが通じるかどうかは別問題。なかなか教科書通りにはいきません。
そんな中で思ったのは、発達ちゃんの育児は「〇〇がいい」という知識より、「〇〇はダメ!」という知識がまず必要だということ。そのダメなことを避ける。○○がいい、は個人差がありすぎて万人に有効なものはないから。
それで、この絶対にやってはダメなことは何かというと一つだけで、
「暴力(体罰)は絶対にダメ」
というこの一点につきると思う。ギャーギャー癇癪が続くと、親の精神がまず限界を迎えて、親も感情を抑えきれなくなり手を上げそうになります。私が限界なのを分かれよ子ども!という気持ちもわいてきます。
私は本当にダメな人間なので、実は耐えきれず娘に手を上げたこと、数回あります。ですがこれについては、一個もメリットありません。デメリットしかない。
叩いて癇癪が収まるか?ー絶対収まりません。余計に火に油です。
それによって子どもが癇癪が悪いこととか周りに迷惑をかけているという意識になるか?-なりません。むしろ娘は被害者意識を強めました。
「子ども相手に感情的になったお母さんに叩かれた。ひどい」という意識になるだけです。もちろん反省もしない。
一つも効果もメリットもないです。むしろ親子の信頼関係が悪化すること、子どもが後々までそのことで親を責めてくること、子の自己肯定感の低下、そして親自身が罪悪感と後悔にさいなまれるなどデメリットしかないです。
私自身は時々叩かれて育ちました。昭和生まれ。まだ学校の先生も生徒を叩くことがあった時代です。
愛情があるから叩くんだ、叩かれなきゃわからない子もいる、という考えは私の中にもしみ込んでおり、それを肯定していたこともありました。
が、愛情があっても暴力や体罰は絶対にダメです。叩かれても分からないです。定型発達児に対してももちろんダメですが、発達障害児に対しては本当に悪い結果しか生まない。
でも親だって人間だもの。(相田みつを風)発達ちゃん相手にしていると激昂するときはあります。親を激昂させる達人と暮らしているようなものですから。
どうしたら叩くということをストップできるのか。それにはやっぱり親の心の余裕が必要なわけです。自分が子どもを叩いてしまったときというのは、私自身が追い詰められて悲鳴を上げていた時です。
その点、ワンオペ育児は危険。親子ともに感情が高ぶっている場面にもう一人大人がいてくれたら、叩くほどヒートアップしないと思うのです。そういう意味で発達ちゃんをワンオペで育てているという環境は、体罰につながるリスクが高い。
とはいえ、我が家のようにどうやってもワンオペが解消されないご家庭も多いですよね、きっと。
そんな私の救いになっていたのは、SNS上で同じような経験を持つお母さんたちの経験談を読むこと。自分だけじゃないんだ、どこも同じように大変なんだ、仲間だ、と思うだけで安心できました。
そして、そこで正直に「限界だー。家出したいー。あかん子どもを叩いてしまいそうだー。」と吐き出すこと。中には「好きで生んだくせに」なんてクソリプが付くかもしれませんが、そんなのは無視。
日中ならリアルの相談先(支援センターとか)に電話をかけて気持ちを吐き出す、とか。
とにかく感情を吐き出して、溜め込まないことが大事だと思います。吐き出しても吐き出しても、育児本の事例をはるかに超える修行のような日々は続くのですが・・・。
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