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やっぱり、音楽が好きなんだ。

今年に入ってから、作品作りにパストラルハープの勉強に、朝から晩まで何かしら音楽のことを考えています。

ミュージシャンなんだから当たり前と思われるかもしれないけれど、
実は去年までは、少し思うことがあり、他の仕事を自宅でしていました。
そんなこともあってピアノよりパソコンに向かっている時間の方が長かった日も多くありました。

「あぁ、今日も歌えなかった、弾けなかった・・・」

そんなことを罪悪感を感じながら思いながらも、でも少しホッとしている自分もいて。

しばらく月日が経ってしまうと、
もはや音楽をしたかったかどうかさえも自分の中でよくわからなくなってきてしまうこともありました。

ピアノを弾けば、昔の思い出したくないことが頭をよぎるし、
音楽が大好きなはずなのに、
音楽から逃げようとしている自分もいたんだと思います。

けれど、色々な思いが積み重なったところに、
ある「小さなこと」がふわりと私の日常に鳥の羽のように舞い降りてきて
私の色褪せた日常がまた輝きを取り戻し始めました。

それは、娘がピアノを習い始めたことでした。

私も娘にこの1年ほど少し教えていましたが、
偶然にも近所に住まれている私の大学の恩師の奥様がピアノの先生をされていたのでお世話になることにしたんです。

そして、毎日娘に教えるために私もピアノへ向かうようになり、
毎週レッスンに通い、ピアノの音色を聴き、
家でも娘の楽しそうにピアノに向かう姿に心を動かされました。


本当は娘の今の年齢で父を亡くしていたので、
私は娘がピアノを弾く姿を見ると、昔の自分のこと、父のことを色々と思い出してしまうのが辛いなと思う時もゼロではありませんでした。
でもそれよりももっともっと大切なこと

「音楽って楽しいんだよ!」

ってことを私は娘のピアノに向かう姿に教えてもらいました。

次第に私も弾きたくなってきて、
娘を教えた後、気づいたら自分も毎日弾くようになっていました。

誰かのためでもなく、純粋に自分のためにピアノを弾く時間。

昔大好きだった思い出の曲、
いつか弾きたいなと思っていたクラシックの曲
即興で気持ちに任せて奏でる音

正解も不正解もない、ただそこには自分の好きな音があるだけ。

弾けば弾くほど、水を得た魚のようにぐんぐん自分の心が
元気になっていくのがわかりました。

私は、私のために音楽を楽しむことを忘れていたんだと気づきました。

長い間「誰かのためだけ」に音楽をやってきていたのかもしれない。

それは、もちろん私にとってとてもとても意味のあることだったけれど、
「私のために」がゼロになってしまったら
私も音楽に近寄れないし、
音楽の方も私を振り向いてくれなくなってしまう。

売れるとか、売れないとか、
受け入れられるとか、受け入れられないとか
そんなことばかり考えて、
自分が音楽とちゃんと向き合えていなかったのかもしれない。
音楽はいつも私のそばにいてくれていたのに。

娘のピアノを弾く姿は私に目を覚まさせてくれました。

もう一度、音楽と仲良くなりたい。なろう。

このアルバムを作るために腰を上げられたのも、
「聴いてくれる人がいるのかな」
よりも
自分の「作りたい」
を真ん中にして、私がとことん自分の作品と向き合い抜いた新しい自分に会ってみたいと思ったから。

そして、年明けからは音楽一本の生活に戻りました。
もちろん母としての仕事は山ほどあるし、役割もあるし、昔のように思うようにはいきません。

恐れも不安もゼロではないけれど、それを上回る楽しさと感動が今の自分の心には満ちています。

一時期「自然音」しか聞けないほどに音楽とどう付き合っていいのか自分でもわからなくなってしまったからこそ、
今こうして音楽と本当に仲良くいられることが幸せだと思います。

日々音楽に支えられて、励まされているけれど、
私も音楽に何か恩返しができるとしたら
この作品を胸を張って世に送り出すことなのかな、と思っています。

どうか、この先も見守っていただけると嬉しいです。
いつも、応援していただいて ありがとうございます。
今週も皆さんにとって素晴らしい1週間になりますように。

山口春奈

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