ワンマンライブツアー2023「Memory Lane」に込めた想い
ワンマンライブツアー2023 「Memory Lane」をこの7月からスタートしました。
2023年中に全てを巡ることはできないと思いますが、少しずつ時間をかけて私なりの「Memory Lane」を完成できたらと思っています。
鮮やかなうちに、このライブツアーに込めた想いをここに書き記しておこうと思います。
「Memory Lane」という言葉は、「思い出を辿る」という意味です。
これはカナダで私が2年半を共に過ごした今は亡きホストマザーが教えてくれた言葉です。
2009年にDewの相方悠とカナダを再訪したことがあり、
その時にホストマザーが「Memory Lane」ね、と私に言ってくれたのがきっかけでした。
私は時折過去が本当にあったのか、ふと分からなくなることがあります。
私が生まれた家は父が亡くなった時に帰れる状態ではなくなってしまい、それきり。
その後転がり込むように住み始めた祖父母の家も程なくして道路拡張のために立退に。
容赦無くショベルカーが家を壊していく様子は、とても切なかったです。
その後カナダに留学するまで住んだ家も、今は人の手に渡り、
私には自分の幼少期を振り返る場所がほとんどありません。
あるのは写真と思い出だけ。
でも、その地域を訪ねるとき、忘れたことも忘れていたような思い出と出会ったり、
匂い、出会った人たちとの何気ない会話、そこで見た風景、音など、
今を生きているのにも関わらず、過去と、そして過去の自分自身と、
ほんのひと時だけ、交われる気がするのです。
当時は抱えきれなかったこと
受け止めきれなかったこと
理解しきれなかったこと
そんなあれこれが、改めて時を経て思い出を辿るときに、
時を経たからこそ、抱きしめ、受け止め、理解ができるようになり、
私を導く「光」へと変わってくれます。
それが「Memory Lane」思い出を辿ることの私にとっての意味です。
そして、物理的に思い出を辿らなくても、
それと同じ働きをしてくれるのが私にとって「音楽」であり「歌」です。
歌を作ること。
それは、私にとって「自分の人生を理解しようとすること、受け止めようとすること」
なのだと思います。
私は歌を通して、悲しみに、悲しみという居場所を
喜びに、喜びという居場所を与えることで
私は自分の気持ちを整理し、悲しみも、喜びも、
等しく愛おしいものとして抱きしめることを学びました。
今回のライブも、歌という自分の人生を繋いでくれたもの、
私の悲しみをないものではなく、光に変えてくれたもの
喜びを、深い感謝に変えてくれたものを
私一人で満足するのではなく、
みなさんと分かち合いたいと思いました。
きっと誰もが大なり小なり抱えている過去に置き去りにされた感情や思い出と
それぞれゆっくりと向き合いながら、
それらを明日を照らす光に変えていけるような時間になればいいなと思います。
最近改めて、私には本当に音楽があってよかった、
歌があってよかったと心から思います。
そして、その感謝を示す時に私ができることはやはり、
心を込めて歌うことなのだと思いました。
「Memory Lane」というライブツアーを通して、
思い出という私が生きてきた足跡と丁寧に向き合い、
深い感謝を歌に込めてみなさんに届けられたらと思っています。
どうか、一人でも多くのみなさんと
この特別な時間を共有できますように。
山口春奈
ライブツアー2023「Memory Lane」に寄せて。
vol.1 大阪 izumicho-cafe
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