「キングダム」から学ぶポジティブ思考(ネタバレあり)
皆さん、はじめまして。エッセイストを目指す大底春菜(@harunaosoko)です。
書くは恥だが役に立つの精神で今日も書きましたので、ぜひ楽しみながら読んでもらえると嬉しいです。
私の大好きな漫画「キングダム」の実写映画が本日(2020年5月29日)の金曜ロードショーで放映されるということで、今回は原作ファンの一人としてキングダムで学ぶポジティブ思考をテーマに書きたいと思います。
キングダムではたくさんのキャラが出てきます。
その中で私がポジティブ思考が神がかっているキャラだと思う「漂」を紹介したいと思います。そして、その漂から学ぶポジティブ思考について書ければと思います。
このnoteを書くにあたり、キングダムの映画DVDと漫画(映画化された部分だけ)を観直し&読み直しました。
この映画や漫画の見どころや解説は検索するとたくさん見つけられると思うので、このnoteでは少し別の視点で書いてみたいと思います。
※ネタバレの要素がありますので、ネタバレなしで映画を観たい方は放送後に読んでもらえたら幸いです。
はじめに
キングダムは主人公の下僕の無名の少年「信(しん)」が天下の大将軍を目指す物語と歴史的に有名な始皇帝「嬴政(えいせい)」が中華統一を目指す物語です。※下僕とは奴隷のこと ※以後「政」と表示します。
個人的には二人の夢は同じく中華統一を果たすことで叶えられるので、信と政のW主人公の物語だと思っています。
そして今回紹介したいキャラの漂は、主人公の信と同じく奴隷の身分でありながら天下の大将軍を目指す少年で、信の親友として登場します。また、政の命の恩人でもあると思います。
正直、漂は人気投票で上位に選ばれるようなキャラではないです。
第一回人気投票では22位のキャラです。
人気投票で上位にならない理由はおそらく漂が第一話で死んでしまい、活躍シーンが少ないからだと思います。
映画では冒頭18分で死んでしまいます。本当に悲しくて何度観ても泣いてしまいます。
こんなに魅力的なキャラが第一話や冒頭で死んでしまう漫画や映画を私は他に知りません。
ワンピースで言うと、第一話でルフィの目の前でエースが死んだような設定です。
だからこそ、このキングダムの映画は冒頭から全集中で観てほしいと思います。ここがクライマックス?って思うくらいのシーンが冒頭にあります。
漂が死んだ理由
まず、漂は政の身代わりとして刺客に殺されます。
王様である政が刺客に狙われた理由と漂が死んだ理由を簡単に説明します。
政は13歳という若さで秦国の王になりましたが、幼いゆえに政治の実権はなく王宮での勢力も薄弱でした。そんな中、秘密裏に勢力を増強させていた王弟派から反乱が起きます。つまり、弟の派閥に反乱を起こされたということです。
その反乱で政の命が真っ先に狙われるため、政に瓜二つの容姿の漂は反乱が起きる前から王宮で召し抱えられるようになります。つまり、身代わりとして登用されたということです。
そして反乱が起きた日の夜、政の身代わりとして刺客に殺されました。
漂の言動から学ぶポジティブ思考に溢れる生き方
私がこのnoteで伝えたいことはまさに漂の言動から学ぶポジティブ思考に溢れる生き方です。これは今を生きる我々も大変学びの要素が多いと思います。
特にそのポジティブさを感じられるエピソードを3つ紹介します。
エピソード①〜奴隷から抜け出す手段としての「剣の道」〜
漂は戦争孤児であり、生きていくために奴隷の身分になりある家で奴隷として仕事をしていました。その後、信も漂の仕える家に奴隷としてやってきて一緒に仕事をすることになります。
この時代の中国では身分制度があり、一度奴隷になると、奴隷は奴隷同士で結婚し、奴隷の子どもを産むというループが続きます。
そのループを抜け出す方法はないように思えますが、その方法を漂は知っていました。
それが「剣の道」でした。
剣の道を極めることで武功を上げて、奴隷の身分を脱却するという方法です。そのために仕事の合間に、剣の技術を高める訓練を密かに行なっていました。
そんな漂が何もわからずにやってきた信に剣の道について教えるシーンのセリフがあります。
「抜け出すには剣しかない! 秦は中華の中でももっとも恩功制度の強い国だ 戦で武功をあげれば爵位を授かり下僕から脱せる」
この話の後から二人は木刀で仕合いを行うようになり、1253回も戦っています。1日1回と計算しても、3年以上続けていたことになります。
漂はおそらく奴隷から脱却するために世の中の仕組み(恩功制度など)を独学し、今の状態を脱却する方法(剣の道)を知ります。そしてそのために、並々ならぬ訓練をしているのです。
この思考こそがポジティブ思考だと思います。
なぜなら当時の時代背景を想像するに奴隷が世の中のことを理解できるようになるのは簡単ではなかったと思うからです。
同じ奴隷の信の言動でわかるのですが、おそらくこの時代の中華での教育制度は乏しく、奴隷の身分では読み書きや計算が出来ない人が多かったのではないかと思います。
今を生きる人へのメッセージ
この漂の自分の状況を客観視し、行動で変えられることだけに注力するポジティブ思考に溢れる生き方は今を生きる人へのメッセージのように感じます。
現代の世の中でも、自分の状況を主観的に捉える傾向が強いと、うまくいっていない自分の人生を家族や友人、上司など周りの人が原因だと思考することが多くなると思います。私も幼少期は自分の家庭よりも他の家庭が羨ましく思える時が多かったです。
しかし、漂は自分を客観視し、行動で変えられるところから取り組んでいくことで人生を変えられるということを生き方として訴えてきます。私もこのポジティブ思考に溢れる生き方が重要だと思います。
私自身も絶望的な状況の時こそ立ち止まって、自分で変えられることだけに注力することで、今すべきことが見えてくるように思えます。
エピソード②〜夢のために死をも恐れぬ覚悟をもつ〜
少し文章が長くなってきたのですが、それだけこの漂という人物の素晴らしさを私は語りたいのでお付き合いいただければ幸いです。
さて、そんな漂はいつしか奴隷を抜け出すための手段として捉えていた剣の道の先にある究極の姿を自分の夢として思い描くようになります。
その究極の姿とは「天下の大将軍」です。
信と二人で剣の腕を高め合う日々の中で、いつしか天下の大将軍になることが二人の共通の夢になりました。
この夢がいかに身の程知らずかと説明すると、天下とは中華のことですので現代の中国をイメージしてもらえればと思います。その中華で名が轟く大将軍になりたいというとても大きな夢を持っているということになります。
しかし、漂は夢を叶えるチャンスのためなら死をも恐れぬ覚悟を持っています。
その覚悟がよくわかるシーンがあります。
それは、王宮で政から自分の身代わりとなって死ぬ可能性があることを明かされた時の漂のセリフです。
「田舎村の下僕が一日にして王宮に仕えるなど よほど大変なことが待っていると覚悟して参りましたが まさかこれほどの大任をお受けできるとは夢にも思いませんでした!」
この時、恐怖の表情を一切見せずに笑顔で答え、高揚感に溢れる漂の姿を見て、政は驚き「死ぬかもしれないのだぞ」と諭します。
しかし漂は以下のように答えます。
「史に名を残す天下の大将軍 友と二人身の程をわきまえぬ大望があります もとより全てを懸ける覚悟です」
自分の夢のために死んでも構わないという覚悟のセリフです。
このシーンから学べることは、自分の夢ややりたいことに挑戦する時、その結果の全てを受け止める覚悟で望めば、失敗する恐怖感よりも夢に近づける高揚感が勝るということです。
私も自分の意見や考えを発信する時に不安な気持ちが大きくなる時がありますが、自分の書いた言葉に覚悟が持てた時、私の夢であるエッセイストに近づいたような高揚感に包まれる時があります。
まさに、これが全てを受け止める覚悟ができた瞬間なのではないかと思います。
今の時代は滅多に命を懸けることはないかもしれません。
でも、命と同等に感じる自分の実名やペンネーム、ビジネスネーム、これらを使って何か行動したり発信する時はその言動に責任を持ち、全てを受け入れる覚悟を持つことが大切なような気がします。
エピソード③〜漂の「将」としての最初で最後の活躍〜
漂の活躍シーンは漫画では二巻の第十四話に登場します。
それは、政に扮する漂と政の側近の軍が王宮から脱出するシーンです。王宮を離れ、本物の政との合流地点に逃げるために馬を走らせていると敵に追撃されてしまいます。
その追撃により、軍が乱れ兵士の士気も低下する中で漂は以下の檄(げき)を飛ばし、その場にいた兵士を鼓舞します。
隊列を組み直せ!!密集して突破をはかるぞ!!
その場にいた兵士は、その時の漂の姿はまさに「将」であったと話します。
奴隷の少年がその場の判断で、隊列の指示、突破の指示を出しています。おそらく兵法書なども読んだことがないと思いますが、その時とっさにやるべきことが直感的にわかったんだと思います。
その後、このままでは追撃を振り払えないと悟った漂は、政の側近の軍を政の元に向かわせるために、自ら囮となり単騎で追撃軍を引きつけます。
そして単騎でその軍を突破します。
この後、別の刺客に狙われ深手を負わされた漂は信のいる家に辿り着いたのではないかと思います。(このシーンの描写はないので、想像になります。)
エピソード④~信に遺志を伝える漂~
漂が息を引き取るシーンが感動モノです!
この映画の中では、最高のクライマックスといっても良いと思います。
漂の命が消えそうになっていること理解した信は「二人で天下の大将軍になるっつったじゃねぇかよ!!!」と漂に叫びます。
それに答えた漂の最後のセリフはこれです。
なるさ!信 俺達は力も心も等しい 二人は一心同体だ お前が羽ばたけば俺もそこにいる 信…俺を天下に連れて行ってくれ
漂は信の腕の中で満面の笑顔で大粒の涙を流しながらこの遺志を伝え、息を引き取ります。
このシーンは胸熱すぎます。
自分の夢は自分で叶えられないけれど、親友の信が絶対に叶えてくれるという期待で自分が死ぬ最後まで笑顔で前向きに生きます。
究極のポジティブ思考だと思います。
自分が死ぬという絶望的な状況の時に、他者への期待を胸に笑顔で死ねるだろうかと考えさせられるシーンです。
おわりに
今回は私が大好きなキャラの一人「漂」について熱く語ってしまいましたので、映画のお話も簡単にできればと思います。
映画キングダムは総制作費10億円超えと報道されている漫画キングダムの実写映画です。
国内興行収入は57.3億円とのことで2019年の実写邦画ではNo. 1ヒット作になったそうです。
映画には詳しくないので、この数字の凄さなどはよくわかりませんが、原作ファンとしては待望の映画化でした。
最後に私が思うこの映画の見どころを3点あげたいと思うので、ご覧になる方は注目してもらえればと思います。
①王騎将軍役の大沢たかおさんの役作りの凄さに震える。腕周りの雰囲気に圧倒されます。
②信役の山崎賢人さんと政役の吉沢亮さんの演技力がすごい。特に冒頭の木刀による決闘シーンは臨場感に溢れています。
③中国史を研究してデザインされた王宮「玉座の間」の緻密な美しさに感動。秦の時代から皇帝を表すようになった「龍」の装飾に注目です。
そして本日発表されましたが、映画キングダムの続編の制作が決定しました!こちらも楽しみですね。
それでは今日の放送を観てみなさんが作品の素晴らしさに感動してくださることを願っています!
ご武運を!