【シロクマ文芸部】ただ走り続ける。
#シロクマ文芸部 お題#走らない 第二弾です。
走らない。チームメートはそう言って退部していった。この陸上部はただでさえ女子が少ない。女子生徒の退部が相次いで、とうとう女子部は男子部と統合された。陸上部に高校2年の女子部員は私を加えて2名だけ。
「あなたはいいよね。いつも大会で自己新を更新しているんだから」
そういう声が聞こえる。それがどうした。あなたは走らない。私は走り続ける。その違いだけじゃないか。走らないんでしょう?走りたくないのでしょう?それを選んでおいて、後輩を置き去りにして。それでいいのでしょう?
言わない、そんなことは。退部は自由だ。部活を続けるのも自由。私は走る。ウォーミングアップ、インターバルトレーニング、クールダウン。走ってばかりの私は、滑稽にも映るだろう。それでいい。
「先輩。一年生、全員揃いました」
「OK。じゃあ、ロードワークに行こうか。今日はスローペースでね。無理しないで行きましょう」
一年生を纏める子から掛けられた声に応え、私は一年生部員・総員5名を連れて先頭を走り出す。
応援してくれる人、呆れる人、やっかむ人たち。沿道の声はさまざまだ。彩りは多ければ多いほどいい。どうぞご覧じろ。結果は、大会のゴールテープで出すのだから。
拙稿題名:ただ走り続ける。
総字数:504字(原稿用紙一枚半相当)
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