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【冬の妖精 】シロクマ文芸部:お題「寒い日に」参加記事
小牧さん、お題をありがとうございます。貼付記事以下、参ります。
寒い日に曇った窓ガラスを黒板やノートに見立てて、指で落書きをする。これはよくある冬の光景。そして、それ以外の「寒い日の窓ガラス」を見たことがある。
後にそれが窓霜という自然現象だと分かったが、その時は眼前のそれが不思議で、ただただ見つめていたのだった。
あれは大学生の頃。所属サークルでスキーに行くことになり、ロッジ風の宿に一泊したときのことだった。
早朝、普段なら起きることのない午前4時に目が醒めた。寒さに眠りが破られたのだと思う。同室の仲間が目覚めないように、気配を消しながらベッドから起き上がり、部屋から廊下へと足を進めた。
廊下からロビーへ進み、ロッジ玄関のほど近くまで歩くと、ロッジの窓に不思議な文様が浮かび上がっているのに気づく。
真っ白に氷付いているのかと思っていた窓ガラス。それは白一色ではなく、針葉樹の葉に似たトゲトゲを四方に伸ばしながら、ガラス窓の上で枝を広げている。白い樹のように。あるいは雪の結晶がいくつか合体してひとつになり、青白い菱の実を実らせている。
窓ガラスをキャンバスに見立て、氷を絵の具に変えて描かれた装飾。モチーフは氷結した森だろうか。
「氷の国。お伽話みたい……」
思わず呟いた独り言を拾い上げ、言葉を告げる人が、気づけば私の後ろにいた。
「ジャックフロストの悪戯かもしれないな。どうした?直美。随分早いじゃないか」
俺も人のことは言えないけどな。そう言って雅也が軽く笑った。
「寒くて目が醒めちゃったのよ。それにしても博識なのね。体育会系に見えるけど、やっぱり雅也は文系かぁ……」
※ ※ ※
あの頃も今も、雅也は変わらない。ギャップがあるようでいて、その実は真っ直ぐに信じる道を進み、筆を走らせている。
今は隣で微笑む彼を思いながら、私は曇った窓ガラスに指で落書きをした。
(the end…to be continued...?)
拙稿題名:冬の妖精
#総字数 :758字
よろしくお願い申し上げます。
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