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『星空の下で』【シロクマ文芸部:お題「星が降る」】参加記事

小牧さん、お題をありがとうございます。貼付記事以下、参ります。



星が降る
夜空を見上げれば、そうとしか表現できぬほどの煌めきが、頭上には拡がっていた。

ここは私たちが住む街の高台。風光明媚ではないし、何か目立つモニュメントや樹木があるわけでもない。眼下の眺めがいいのが唯一の取り柄な、どこにでもある高台だ。


「綺麗だろう?見慣れた風景も時間を変えると様変わりするんだ」

雅也に誘われて足を向けた街の高台。時刻は21時。冬の今、辺りは真闇に覆われていて、人家の灯りから離れた場所で見る星たちの煌めきは驚くほど美しかった。手を伸ばせば届きそうで、けれど決して届かない彼方でまたたいている。

「綺麗ね……前に夜桜を見たときのことを思い出すわ。本当に……自分たちの街でこんな光景を見られるなんて……」

私の溜息を聞き、雅也は笑いながらこういった。

「あれは始まりで、この星空は明日のために……なんて、な」

本音を照れ隠しで誤魔化す彼の横顔を、瞬く星たちと私だけが見ていた。


拙稿題名:星空の下で
総字数:442字

よろしくお願い申し上げます。


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春永睦月
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