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自分の体のパーツの中で、自信を持ってひとさまにお見せできるもの。

自分の体のパーツの中で、自信を持ってひとさまにお見せできるもの。

それは、ひじの内側に太々と浮き出る青い血管。

右腕も左腕も、自慢できるしろものだ。

献血の場合、まず比重をはかるためにちょっとだけ採血をして、比重がOKとなれば、採血したのと反対の腕に太い針をさして血を抜く。(今日は400ml)
だから結局、両方の腕の血管に針をさす。
今日もそでをまくって、献血ルームの看護師さんに、さあどうぞと両腕を見せたとたん、小さくガッツポーズされました。
それくらい採血しやすい血管なのだろう。二十歳の頃からかわらない。
忙しい看護師さんを、笑顔にさせる血管。
まず間違いなくほめてもらえる。ほめてほしくて、ちょこちょこ献血にいくのかもしれない。自慢の血管。

ニュースで献血がピンチだと聞いて、あわてて飛んでいったんだけど、
あわてて飛んできた人たちだらけで、献血ルームはいっぱいでした。
二時間待ちと聞かされても、みんなあんまり帰らない。(私もその一人)

まあ献血ルームは、ほら、コーヒーなんかの自動販売機がただだし(ボタンを押すだけでいくらでも飲める)、本や漫画がちょっとした図書館みたいにずらりと並んでいて、椅子やソファも座り心地がいいから、二時間くらい待つのは、それほどたいしたことない。
ここにいるのは、そう思える人だけ。わざわざ一人で血を抜きに来るような人間たち。そんな人だらけの、しんと静かなこの空間を、私はけっこう好きだ。

確かに、針を刺すのはちくっと痛い。
でも、看護師さんにほめてもらえた。コーヒーも飲み、クッキーとアイスも食べました。帰りにチオビタ二本もいただきました。よし。チオビタ飲んで、私もがんばろう。
今日のこの行いが、誰かの役にたちますように。


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