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「ブローチにしたい」
今朝、オムロンのネックマッサージャーを腰にあてながら、
猫に向かって言った言葉だ。
脱力する私の目の前の机の上に行儀よく座り、
怪訝そうな表情でこっちを見る彼の姿をぼーっと眺めていると、
そう感じたので言葉を投げてみた。
念の為お伝えしておくが、サイコ的な意味合いはもちろんない。
私と彼しか知りえない秘密のやりとり
世の中はこんな秘密で溢れている
当然のことなんだけど、なんて神秘的なんだろう
こんなにも当然で、魅惑的で、時には残酷な普遍に、
今まで私は気づくことができなかった。
いや、頭ではわかっていたと思うけど
その切なさと愛おしさを理解できていなかった。
もっと早くこのことに気づけていたなら
違う接し方をしていたんじゃないかと、
あらゆる過去を振り返り、未熟な自分を後悔した。
とにかく、彼のブローチを作ろう。
タータンチェックのストールを留める用のブローチにしたい。
このやわらかい「とき」を、ずっとわすれたくない。