リトアニア留学記 vol.4① 国内旅行~ヴィリニュス編~
Laba diena!
9月3日と4日に、1泊2日でリトアニアの国内旅行をしてきました!
行き先は、リトアニアの首都ヴィリニュスと、海沿いの街クライペダ。
どちらもカウナスとは違った魅力があって、とっても充実した旅行でした!
今回はまず、一日目のヴィリニュス編。世界遺産にも登録されている旧市街をご紹介です。
(歴史的なことも書いたらだいぶ長くなりました…!)
カウナス出発!
目的地のヴィリニュスまでは、私が住んでいるカウナスから電車で1時間30分ほどの距離。
より内陸、ベラルーシ側に向かいます。
ということで、朝から電車に乗って出発です。
リトアニアはバスも電車もかなり安いので、移動するには便利な国。
特に学生は割引がききます。
今回は、電車で1時間半、学割つかって片道3.30ユーロ。(現在のレートで1ユーロ約144円なので、日本円にして475円!)
学割なしだと6.6ユーロ(950円)です。学割はぴったり半額。お得。
美術館とか博物館とかもそうですが、学割がとってもお得でけっこう割引してくれます。
なので、学生でこっちに来るなら国際学生証(International Student Identity Card、通称ISICカード)みたいなのをゲットするのがおすすめです!
※参考:https://isicjapan.jp/card/
ちなみに、日本のグリーン車みたいにクラスが上の席もあって、そちらは10.1ユーロ(1454円くらい)。
この席は学割がきかないのもあって、ちょっと割高。
それでも1時間半の電車旅、より広くて快適な座席・コンセント・水とかコーヒーのサービスと軽食販売つき!だと思えば、安いほうな気がする…!
あ、座席の感じは、電車というより新幹線のイメージが近いです。
(写真撮るの忘れました…)
ヴィリニュス到着!
そんなこんなで電車に揺られて、お昼前くらいに目的地のヴィリニュス到着!
第一印象は、首都ということもあってか、カウナスよりもちょっとだけカチッとしてるな…って感じ。
それでもこのヨーロッパらしい、かつあったかみのある街並みは似てました。
お昼ご飯…!
おなかすいたのでとりあえずお昼!
せっかくならということで、地球の歩き方に載っていた、観光客よりローカルに人気のリトアニア料理のお店へ。
真昼間だけど薄暗くて、常連さんなのかお店の人なのかわからない方々がカウンターに集まってたりして、正直最初ちょっとこわかった…
でもみんな気さくに話しかけてくれて、しかも料理はとってもおいしかったです!
私が注文したのは「ツェペリナイ」。
リトアニアの伝統料理で、もちもちのじゃがいも生地の中に、ひき肉が包まれてるやつです。
リトアニアの主食はじゃがいもなので、じゃがいもメインの料理とか、お肉料理にじゃがいもが添えてあったりとかが普通。
サワークリームがさっぱりで、おいしかった!
じゃがいも好きでよかった~!
ヴィリニュスの見どころ!
おなかも満たされたところで、観光スタート。
ヴィリニュスもカウナスと同じで、新市街と旧市街に分かれています。
ただ、カウナスがまっすぐの大通り沿いに栄えているのに対して、ヴィリニュスは迷路みたいに道がぐねぐねしてます。(地図見て歩くの一苦労)
今回は、主に旧市街を見てきました!
ヴィリニュスの旧市街は、「ヴィリニュス歴史地区」として世界文化遺産に登録されています。
ヨーロッパの中でもかなり大きな、歴史と文化が美しい街並みにぎゅっと詰まった旧市街だそうです。
ということで、歴史についても触れながら、ヴィリニュスの観光スポットを紹介します。
迷路のような旧市街
ヴィリニュスの旧市街も建物がとっても可愛い。
大きい道路からたくさん小さい道があちこちにのびていて、それぞれちょっとずつ雰囲気が違うのも歩いてて楽しいポイント。
カウナスとは違って、道がカーブしているのがわかります。
それぞれの小道にカフェやお土産屋さんがポツポツあるので、お散歩だけでも何日か楽しめそうな街だなあ…と思いながら歩いてました。
市庁舎広場
こちらは、ヴィリニュス旧市街の中心にある、旧市庁舎。
カウナスと同じで、こちらも現在は市庁舎としては使われておらず、イベントやコンサートの会場になっているようです。
一番最初は14世紀につくられたけど、火災、戦争、とかでダメージが重なって、18世紀に全面的に改装されたそう。
だから、旧市街の中では比較的新しい建物なのかな。
この旧市庁舎を中心に広がっているのが、
この市庁舎広場!
個人的に、ヴィリニュスで1位2位を争う好きな景色です。
(2年前に来た時の写真がお気に入りなのでそれもついでに貼っておきます)
あまり高い建物がなく、開けた空間に、空が広く感じられる。
リトアニアの街を象徴しているような景色だなあと思ってます。
ヴィリニュスの教会たち
ヴィリニュスは教会がたくさんある街。
歩いていると、十字架がついた建物を本当によく見ます。
が、あんまり中の写真は撮れませんでした…。(教会はなんとなく入るのも撮るのも勇気がいります、あと撮影禁止のところもあります)
でも、なかなか観光スポットとしては紹介されていない教会にたくさん出会ったので、外観(と歴史も少し)をパパパっと紹介!
聖カジミエル教会
さっきの市庁舎広場の一角にある教会。
この写真では見えないけど、てっぺんに王冠がついていて、ピンクの外壁も相まって、可愛らしくも立派な建物です。
聖カジミエル教会は、イエズス会によって建てられた、ヴィリニュスで最も古いバロック様式のカトリック教会です。
でも、支配者が変わるごとに影響を濃く受けてきた教会でもあるらしい。
帝政ロシアの時代には正教教会、第一次世界大戦でドイツに占領されていたときはプロテスタント、ソ連の時代には「無神論」博物館になっていたそうです。(そんなに変わることってあるのか…)
支配されて、反乱を起こして、占領されて、独立して、を繰り返してきた歴史が、教会一つにも込められてるんだな…。
本当に、歴史を今に伝える旧市街、っていうのを実感させてくれる教会だなと思います。
聖テレサ教会
左奥に見えるのが聖テレサ教会。
リトアニアの中で一番豪華な祭壇がある、らしいです。(外観はシンプルに見えるけど)
というのも、建設当時、スウェーデン産の大理石などを使ってかなり高額な予算がかけられたからなんだって。
内装は、18世紀後半のロココ調(詳しくは世界史を復習しないと…)の煌びやかさがそのまま残ってるそうです。
中のステンドグラスとか、ちゃんと見てみたいな…。
聖霊教会
これは、ロシア正教会の聖霊教会。
正教会の教会は基本的に、ビザンティン様式といって、
①上空から見ると十字架の形をしてる
②聖堂の屋根がドームの形をしてる
っていう特徴があるらしい。
でも、この聖霊教会は、正教会だけどバロック様式で作られている、ちょっと珍しい教会だそう。(たしかにドーム型ではない)
内装は聖テレサ教会と同じくロココ調で、特徴的なのが色鮮やかな緑色の祭壇!これも珍しい。
あまり教会に派手な色が使われているイメージがなかったので、中をのぞいてみて驚きました。
聖三位一体教会
この聖三位一体教会は、ウクライナ・カトリックっていうレアな宗派の教会です。
歴史的には、16世紀、カトリックを国教とするポーランド・リトアニア共和国が、正教徒の多いウクライナ、ベラルーシに進出した時、妥協点を探してできた宗教、らしい。
たしかに他の教会とは雰囲気が違うなあ…って、全然詳しくないけどなんとなく感じる。
ゴシック、バロック、それから、(さっきも出てきた)正教会の基本になってるロシアのビザンティン様式が組み合わさっているそうです。
○○調、○○式、世界史の時間に習ったなあ…。
新しいことを知れる世界史の授業は大好きだったんだけど、知識としては定着しませんでした。
もう一回習って頭に入れてから教会巡りをしたい。
夜明けの門
まだまだ教会はあるんですが、いったん離れて。
旧市街を歩いているとあらわれるこの水色のゲート。
ほかの建物と同じような雰囲気で街になじんでいますが、実は、13世紀のリトアニア大公国時代の、城壁の名残なんです。
夜明けの門、と呼ばれています。
もともとは大公国を囲んで9つの門がありましたが、ほとんどが破壊されたそう。
その中で、唯一そのまま残っているのがこの夜明けの門。
日本の感覚でいえば、城壁はもっとごついイメージがあったので、最初城壁だと知ったときは驚きました…。
門の中のチャペルには聖マリアのイコン(聖画像)があり、外からでも見ることができます。(ちょっと見づらいですが、真ん中の金色です)
この肖像は世界的にも有名で、この絵をモチーフにたくさんの教会がレプリカをつくってるそうです。
17世紀、外敵から街を守り、旅人を守護するために礼拝堂が建設されて、聖マリアの肖像は「奇跡を起こす」とされていました。
今でも多くの人が祈りにきているそうです。
今回の旅行は時間がなかったので入らなかったけど、一回近くで見てみたいなあ…。
ちなみに、聖テレサ教会、聖霊教会、聖三位一体教会は、この夜明けの門をくぐったあたりに建っています。
ほんとに数えきれないほど教会が集まっている街でした。
ヴィリニュス大聖堂
ヴィリニュスのシンボル的存在、ヴィリニュス大聖堂。
観光客も、礼拝に訪れる地元の人も、たくさんの人が集まるヴィリニュスの中心地です。
この聖堂も、旧市庁舎と同じく18世紀に大幅に改築されてできたそうなので、新しめな建物。
大聖堂を中心にカテドゥロス広場があって、いろんなイベントが開催されています。
私が行った時も、古本市?みたいなのが開催されていて、たくさんの人で賑わっていました!
隣に建つベルタワーは57メートルあって、展望台になっています。
今回は登りませんでしたが、エレベーターがなく階段で上まで登るそうです。
体力が残ってる元気な時に行くのがいいかも…!
ちなみに、この大聖堂広場に背を向けると、街の大通り。
土曜日ということもあってか、ここでも通り沿いにずら~っと出店が並んでいて、ものすごい人、人、人!
広い道路と落ち着いた人通りをよく感じるリトアニアですが、この時はかなりの人の数と賑わい。
ほんとにヴィリニュス、ひいてはリトアニアの中心地なんだなあ…と実感しました。
ゲディミナス塔
最後はゲディミナス塔。
この塔は、かつて丘の上に建てられたゲディミナス城の城壁の一部分。
今は博物館と展望台になっていて、ヴィリニュスの歴史を知れると同時に、新市街と旧市街を一望できる一大観光スポットです。
歩いても登れますが、かなり急で長い階段が…。
ゴンドラもあるので、チケットを買えば楽に上まで行くことができます。
180度方向転換するだけで、まったく違った景色を楽しめる素敵なスポット。
市庁舎広場と同じくらい、ヴィリニュスでお気に入りの景色です。
かなり高い場所なので、あったかい日は涼しい風が感じられて、いつまでも景色を眺めていられるところです。
今回の旅行は天気がよくて、青空が気持ちよかった!
景色を楽しんだところで、中の博物館へ。
ここでは、「バルトの道」といわれる、人間の鎖についての展示が見れました。
「バルトの道」とは、1989年に起こったソ連の占領に対しての抗議運動で、リトアニアのヴィリニュス→ラトビアのリガ→エストニアのタリンまで、約200万人が手をつないで600kmもの距離をつないだ、その名の通り「人間の鎖」。
ユネスコの世界記憶遺産に登録されている出来事だそうです。
人が物理的に手をつないで国を超える、って、ちょっと想像できないくらい…。
ちなみに、ここには当時の人々の等身大パネルがあり、手をつないでバルトの道の一員になったような写真も撮れます。
ゲディミナス城まで行ったら、中の博物館までぜひ見てほしいです!
おまけの見どころ
こんなにも観光スポットの多いヴィリニュスですが、街中をただ歩いているだけでも楽しめる魅力がたくさん。
旧市街を歩いていたら、道端でクラリネットを演奏している人が!
中高時代にクラリネットを吹いていた私からしたら、とってもご褒美でした…!
(動画も載せておくので、ぜひ聴いてみてください!)
ちなみに、ヴィリニュスでもカウナスでも、先日旅行で行ったドイツでも、街中で楽器を演奏している人をたくさん見かけます。
フルート、トランペット、クラリネット、ギター、アコーディオン…。
もしかしたら演奏場所に制限はあるかもしれませんが、天気のいい日に外で好きな曲を自由に演奏する、ってすごく素敵なことですよね。
もしヨーロッパを訪れる機会があれば、そんなポイントも注目してみたらおもしろいかもしれません。
ヴィリニュス旅行、お昼から夜までずっと歩いてたくさんの場所を巡ったので、かなり長いnoteになってしまいました…。
備忘録も兼ねてるから、思い出のアルバムづくりってことで、いいことにします。
次回はvol.4の続きで、リトアニア国内旅行~クライペダ編~です。
海沿いの街やビーチに行ってきました!(日本でも海が大好きな人なので最高に楽しんできました!)
また長くなってしまうかもしれませんが、このnoteを通してちょっとでもリトアニアを楽しんでもらえたらな、と思います。
それではまた次回、iki~!
参考:
・駐日リトアニア共和国大使館(https://jp.mfa.lt/jp/jp/)
・リトアニア首都ヴィリニュスの観光スポット10選!悲しい歴史や非承認の共和国も(https://tabippo.net/vilnius-spot/)
・【ヴィリニュス】世界遺産の街を隅々まで!観光名所50選まとめ(https://dent-sweden.com/northern-europe/lithuania/vilnius-spot)
・世界遺産の旧市街をもつリトアニアの首都ビリニュスの観光スポット10選!(https://skyticket.jp/guide/115647)
・【徹底解説】正教会とは?その9の特徴をわかりやすくご紹介!(https://keaton511.com/christ-orthodox/)
・地球の歩き方 バルトの国々2019~2020
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