芋虫を助けた日

岡山の某商店街を歩いていると、黒い芋虫が歩いているのを見つけた。

そのまま放置すると必ずといっていいほど轢かれてしまうのでどうにかして道端に動かしてあげたい。

食材を卸すトラックや自転車も多いので急がなければ、と大きめの雑草の葉をちぎり乗るように促すがなかなか乗ってくれない。

四苦八苦していると隣の郵便局から出て来たおばちゃんが「こういう紙のほうが良いんじゃない?」と払込書を半分に折り、芋虫が乗るように促してくれた。
そのおかげで芋虫は無事救出され、空き地に解き放たれた。

おばちゃんにお礼を告げ、歩いているとなんとまた同じような芋虫が歩いているではないか。
さすがに2匹も助けられない、と思ったが見つけてしまった以上無視はできないものである。

今度は雑草の葉を2枚持って乗るように促したがなかなか乗らない。
芋虫を葉で包み、その上から手で持とうとしたがクネクネするのでうまくいかない。
そうこうしているうちにトラックが動き出し、こちらに向かっている。
同行していた人にどうしよう、このままじゃ轢かれる、と狼狽えたら、ジェスチャーでトラックの運転手さんに虫がいることを伝えてくれた。
そのおかげでトラックは芋虫のちょうど車輪の間を通り無事だった。

葉っぱじゃダメということがわかったので、他に手立てがないか考えていると、お店の横にチラシやポストカードがあるのを発見。
ポストカードを拝借し、乗るように促すと簡単に乗ってくれた。
なーんだ、最初からこの方法に気づけば良かった、と思うと同時に岡山にも良い人がいるんだなと感じた瞬間だった。

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