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そうげんのマーチ

 3Dで自由にカメラを動かせるゲームが、すっかり当たり前になって久しいですね。最近はさらに進んで、オープンワールドのゲームが増えてきました。路線をこちらに変更したゲームもありますよね。自由に動き回れて気の向くままに体験できる様を見ていると、これがもう少しすればVRになって、すぐに没入どころかフルダイブ型になって、ゲームの世界の住人になるところまで進んでいくのだろうか。今あるゲームがゲームの転換点の一つになるのだろうかと、想像を逞しくしてしまいます。さすがに気が早すぎでしょうか?でも、もう夢の話ではないんですよね。不思議なものです。

 そんな未来がいよいよ手に届きそうな今になって、僕は上から見下ろすだけだった2DのRPGが懐かしくなっていたりします。宿題の間にこっそり遊んだ、お気に入りの2Dドットで描かれた世界観…。上からドットでしか描かれない、今どきの常識からすれば致命的に情報が不足しているあの表示形態が、むしろ遊ぶ側の想像力を駆り立てさせ、物凄く豊かで楽しい世界観を頭の中で完成させていたのかもしれません。そしてそれは、新鮮な体験ができると、いつの間にか「レトロ」になってしまったあのゲームを楽しむ子供たちにとっても、意外と同じことなのかもしれないなぁと思います。

 なんだか前置きがえらく長くなってしまいましたが、今回はのどかな山間の広い草原をずんずこ歩いていく風景の曲です。実際はそんなにすごい遠出ではないんだけど、まだ幼さの残る子供が、元気よく近所の村に「冒険」をしに行く、というようなイメージです。
 イラストは、歩いていく人の一人称視点を描きました。しかし、曲を書いていた時のイメージは先に書いたような、上から見下ろす2Dな"レトロ"ゲームのイメージでした。ではなぜ一人称視点を描いたのかというと、ゲームに入り込んで遊んでいるときに見えている風景は、確かに一人称視点だったからです。もちろんその時目にしている映像は2Dの見下ろし視点ですが、後で振り返った時に、心に残っているのは一人称視点だったのです。「遊んでいるときは確かに2Dのドットで、見下ろす視点だった。でも思い返してみれば、一人称視点を見ていた気もする」。こんな感じでしょうか。
 それから、今回水彩ツールを初めて積極的に使ってみました🖌️子供の頃に、学校で頑張って絵具を使っていたころを思い出して、ちょっと懐かしくなりました💭

(11月1日午前、公開です🌳)


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