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誰しもコンプレックスを煽る広告に囲まれて暮らしている
「誰しも」っていうのは言い過ぎでしょうが、少なくともこのnoteを目にする人だったら、「誰しも」ってのは間違いじゃないはず。
あまりに自然過ぎて、もうそういう広告を見ても何も感じなくなってますが、この流れはもう止められないのでしょうか。
2020年に、Yahoo!がそういう広告の掲載を禁止にしたってのが話題になっていましたが、google、facebook、インスタグラム、YouTube、TikTokあたりも追随してくれないと実効性はありません。
ニュースサイトを見ていても、コンプレックスをついてくるものばかり。なんなら、BSのTV広告なんかもそんなのばっかですよね。表現はネットよりは柔らかいですが。
これは、2020年の、日経ビジネスの名物コラム『ア・ピース・オブ・警句』の出版記念のときの記事なんですが、ここにコンプレックス系広告について触れている部分があります。
小田嶋:テレビの昼間の時間帯の広告の安っぽさは、ゼロ年代からすごかったけれど、今はさらにすごいことになっているよね。俺が今、一番気持ち悪いのは、ほうれい線(を消す商品)の広告。ネットのニュース広告まわりで、しょっちゅう出てくるんだよ。
岡:気持ち悪いね。
小田嶋:ツイッターのタイムラインとか、ヤフーのニュースにプッシュされてくるけど、ひどい。醜いじじいと、醜いばばあが出てきて、ほうれい線だの、しみだのと、コンプレックス広告だらけになっているでしょう。
岡:そうなんだよ。
小田嶋:あとは、入れ歯だとか、何かそんなのばっかりだよね。盛り上がらないの、なんのって。かつて広告がビューティフルな人たちや、何らかの美を最大限に見せる場だった、ということが、完全になくなっている。
そういえば、昔はビューティフルだったのに、今は醜いと。その一因は、制作費にお金をかけられなくなっている広告業界の事情もあるというのが、岡氏の推察でした。
確かに、それもありそう。
要は、国として豊かさがなくなってということなのか。
このnoteで語られているような精力サプリほどではないものの、男性のコンプレックスをついてくる商材の代表格といえば、包茎でしょう。
他の国の事情を見るとわかりますが、包茎って日本を含む少数の国以外ではなんの問題にもならないですよね。
これこそ、業界がかってにコンプレックスを煽った好例ですね。
ただ、コンプレックスって誰かが煽ろうが煽るまいが、人間の中に根源的にあるものでもあるようで、昔からコンプレックスは当然あったわけで。
戦国時代の武将はひげをたくわえる傾向がありましたが、江戸時代になるとひげはそるようになります。そして、明治に富国強兵が叫ばれるとまたひげを生やす傾向が強まったのです。こうした歴史から、現在の脱毛志向(特に男性)は、実際に日本が平和かどうかは別として、人々に平和だという認識が広まっていることの表れであるとも考えられます
これは感覚的にわかるところですね。
上の記事でも触れられていましたが、今後も人間による美の追求は続くでしょうし、(表現が穏やかであれば)広告が目に触れるのは許せるところではありますが、願わくば、個人に選択の自由があり、どんな人であっても許容する世の中になってほしいものです。
書き始めたときは、怒りをぶつけたい一念にとらわれていたのですが、書き終わってみると、なんともお茶を濁したような投稿になってしまったな。またもや。