W-up列でやるか、円でやるかそれが問題だ!!<前編>
SNSやネットで、様々な情報が得られるようになった昨今、ウォーミングアップでどういったメニューを取り入れればいいのか、そういった情報は簡単に得られるようになってきました。
僕自身も、Twitterなどでいいなーと思った
ストレッチやリアクションドリルは積極的に取り入れています。
ただ実際に試合で、ウォーミングアップをする上で問題になるのは、与えられた時間でどれだけ効率よく行うかです(特にチームスポーツ)。
通常試合前のアップでトレーナーに与えられる時間は10~20分程度ではないでしょうか?その中でウォーミングアップの目的である
「パフォーマンスを最大化するために精神的、肉体的に準備をする」
を達成するには、如何に途切れなく様々な要素を、試合に向けて高められるかが鍵になります。
そこでこのnoteではSNSやネットでは見る事の少ない試合前のウォーミングアップのやり方、やらせ方に注目してお話ししていきたいと思います。
前半は様々な方法を、後半は僕が行なっているメニューに即してウォーミングアップをプログラムするときに大切なことをお話ししていきたいと思います。
1.ウォーミングアップの型
プロの試合前のアップの様子や、公開練習の様子を観察してみるといくつかの型があり、それぞれにメリット、デメリットがあることに気付きました。
そして型によって、ウォーミングアップの流れが変わってくる事も指導していくなかで発見できたのです。
まずはその型について説明していきたいと思います。
大きく分けて型は列型、円四角型、グリッド型の3つがあります。
①列型
まずは1番馴染みがある列型について紹介していきます。
列型には二種類ありPSGで行われている
横1列型
とマンチェスターUなどで行われている
縦2列、3列型があります。
列型は
行きと帰りでメニューを変えれば
✅多くのエクササイズを組み込むことがでる
✅動きを止めることなくスムーズにウォーミングアップを進めることができる。
✅2列や3列ではトレーナーの視界の中に選手が収まるので指示が伝えやすく選手の状態を確認しやすい。
などのメリットがあります。
ただし横1列型では
トレーナーの視界に入る選手の数が限られてくるのでトレーナーの立ち位置から距離がある選手に
☑️指示が伝わりにくい
☑️選手の状態が把握しにくい。
などのデメリットがあります。
PSGのアップの様子をよく見てみると、トレーナーから距離のあるムバッペが、喋りながら雑に取り組んでいるのがよくわかります笑
横一列で行うと、モチベーションの低い選手はトレーナーの目が届かない所でやる傾向があり、逆にモチベーションが高い選手はトレーナーの近くでやるという大学の講義で前に座るか後ろに座るかでモチベーションに差がある理論と同じようになるのが面白いところです。
また縦2列3列型では、なんとなくメニューやオーガナイズを作ると停滞が起こり、進行を妨げるなどのデメリットも存在します。
※この辺りは後半で僕が行ってるウォーミングアップをもとに実践的にお話していきたいと思います。
②円四角型
そして次はリバプールなどで行われている円型です。
円型のメリットとしては
✅選手自身の顔を見ながらエクササイズができる
✅列型と違い選手それぞれのペースで行なっても流れが途切れることがない
✅選手にメニューが伝わりやすい
などがあります。
デメリットとしては
☑️人数が多く円が大きくなると指示が伝わりにくい
☑️ジョグやスプリントなどのメニューが作りにくい
☑️リアクションドリルを組み込みにくい
などがあります。
そして四角型も概ね円型と同じメリット、デメリットがあります。
四角型のアップを行なっているチームとしては、鹿児島ユナイテッドFCがあり、他ではあまり見たことはありません。
僕の予想として四角型は視線が4方向からなので
円の多方向の視線よりもエクササイズの指示が伝わりやすいのではないかと思います。
③グリッド型
そして最後はグリッド型です。
グリット型は四角形で囲われたグリッドの中を選手に自由に動いてもらう方法です。
この型のメリットとしては
✅顔を上げて周りを見ながら動かないといけないので実際の試合の状況に近い状態でアップを行える。
✅選手に様々な動きを行わせることができる。
✅フリーパスやポゼッションなどボールを使ったメニューを組み込むことが出来る
人数が多くなると
☑️方向転換の回数が多くなる。
☑️個人個人によって運動量が変わってきたりする。
などのデメリットがあります。
2.型の選択
アップを行う方法を紹介してきましたが、自分のチームではどの方法で行えばいいの?という疑問があると思います。
まず型を決める上で最初に考えなければならないのは
チームの人数です。先ほども説明しましたが、型によって人数によってデメリットが生じる場合があります。まずは、チームでアップをする人数を把握することが大切です。
チームによってはスタメン組だけアップをしたり、チーム全体でアップをしたりと、状況が変わってくると思います。
人数の多い(15人以上)チームでは列型、特に縦2列3列型が最適だと思います。
それ以外の型だと、先ほど説明したデメリットが出る可能性があり、限られた時間で効率的効果的にアップを行うのが難しくなるので注意が必要です。
もし人数が少ない(15人以下)のであれば、基本的にどの型でやっても問題はないと考えています。
そして人数によってだいたいどの型で行うか決定したら、次は自分がやるメニューに即してどの型が適切か考えます。
⚫️ストレッチ系を多くしたい、スプリント、リアクションドリルは少なめでもいいという場合は円型や四角型
⚫️途切れなくスムーズに、スプリント、リアクションドリルを含ませたいそういった場合は列型
⚫️試合のように周りを見ながら方向転換を含めたいならグリッド型
など自分が強調したいメニューによって型を決定することが大切になっていきます。
もちろん複数の型を組み合わせることで、デメリットを少なくする事も可能です。(例:グリッド型→円四角型→グリッド型)
ただし、限られた時間で効率的に効果的に行うことを最優先に考えながら、型を組み合わせるべきか考えなければいけません。
3.まとめ
試合前のウォーミングアップを行う上で大切な事は
✅限られた時間で効率的に効果的に行うことである。
✅そのために3種あるウォーミングアップの型を意識して実施する。
✅型は列型、円四角型、グリッド型ありそれぞれにメリット、デメリットが存在する。
✅型を決める場合、まずはアップの人数を把握し、強調したいメニューによって型を選択する。
前半では試合前のウォーミングアップで意識すべき型について説明しました。
後半では僕の試合前アップをもとにエクササイズの順番やオーガナイズについてお話していきたいです!